悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2006年12月04日(月) 06時04分

近未来通信、きょう捜索…投資家に虚偽説明読売新聞

 虚偽の説明を繰り返し、投資家から多額の資金を集めていたIP電話会社「近未来通信」に対し、警視庁捜査2課は4日朝から、詐欺容疑で東京都中央区の本社や支店などの一斉捜索に乗り出す方針を固めた。

 同社は、投資家には電話利用に伴う通信料から高額の配当を払うと説明していたが、実際には配当に回せるほど通信料が集まる見込みはなかったことが判明。同課では関係者の事情聴取を進めた結果、こうした資金集めの過程で経営陣には投資家をだます意図があった疑いが強いと判断した。

 警察当局が強制捜査に踏み切ることで、同社の不透明な経営実態を巡る問題は刑事事件に発展する見通しとなった。

 1997年12月に設立された近未来通信は、国内外にインターネットを利用したIP電話の中継局を設置し、他社の電話網と接続して格安で通話サービスを提供できると称して、マンションなどに設けた中継局の通信用サーバーの「オーナー」を募集。その際、加盟金と設備費(サーバー購入費)の名目で1口約1100万〜約2200万円を払ってオーナーになれば、IP電話の利用者が払う通信料から配当を受け取れるとうたい、「月約60万円から約80万円の配当がある」「3年で投資を回収できる」などと説明していた。

 ところが、監督官庁の総務省が11月27日、電気通信事業法に基づいて本社などの立ち入り検査を実施した結果、投資家がオーナーとして購入したサーバー2466台のうち、7台しか稼働していないことが判明。さらに、同社の2005年7月期の売上高約181億円のうち電話利用者から受け取った通信料は約3億円だけで、売上高のほぼ全額は投資家から集めた資金だったことも分かった。

 このため、同社の商法は、投資家からの資金をほぼそのまま別の投資家への配当に回す自転車操業で、「通信料から配当する」との説明は虚偽だったことが浮き彫りになった。

 同社はこれまでに、約2000人から少なくとも300億円を集めたことが明らかになっている。捜査2課では、既に11月から同社関係者や配当を受けていない投資家らの聴取を本格化させており、今後は捜索で押収した資料などをもとに同社の資金繰りの実態などを調べる。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20061204it01.htm