2006年11月30日(木) 20時06分
<大阪>住基ネットは違憲 プライバシー侵害認める(朝日放送)
「住基ネット」をめぐり、大阪府下の住民16人が「精神的苦痛を受けた」として、豊中市などを相手に起こした裁判の控訴審判決で、大阪高裁は、「住基ネット制度には無視できない欠陥がある」と認定。憲法に違反すると判断し、4人の住民票コードを削除するよう命じました。
この裁判は、箕面市や吹田市、守口市などの住民が、「住基ネットに氏名や生年月日などを接続され、憲法が保障する人格権を踏みにじられた」として、住基ネットからの個人情報の削除と、損害賠償を求めたものです。一審の大阪地裁は、「公益を考えると、プライバシーの侵害とはいえない」として訴えを全面的に退け、住民側が控訴していました。
今回の判決で、大阪高裁は、「住民票コードは、取り扱い方によっては私生活上の自由を脅かす危険がある」と認定。「プライバシーを侵された」とする請求を一部認め、住民4人の住民票コードを住基ネットから削除するよう命じました。賠償請求は退けました。原告側の弁護士は、「プライバシーの根拠が憲法から導かれる、その意味では憲法違反とはっきり述べている。非常に意義のある、内容のある判決だ」と話しています。高裁レベルで、プライバシーの侵害を理由に住基ネットの違憲性に踏み込んだ判決は、全国で初めてです。
(朝日放送) - 11月30日20時6分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061130-00000006-abc-l27