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判決後、会見をする(左から)控訴人代表の岩本吉剛さん、弁護士の大川一夫さんら=30日午後5時14分、大阪市北区の司法記者クラブで
1人当たり5万円の損害賠償のみを求めた12人の訴えは退けた。02年8月に稼働が始まった住基ネットをめぐる訴訟は各地で起こされているが、違憲と認定し、住民側が勝訴した判決は05年5月の金沢地裁判決以来2件目。高裁レベルでは初めて。
判決はまず、住基ネットが扱う氏名、生年月日、性別、住所の4情報について「私生活上の平穏が侵害される具体的危険がある場合は、自らが情報をコントロールする権利が侵害されたことになり、本人確認情報の利用の差し止めはできる」との判断を示した。
情報漏洩(ろうえい)の危険性については、自治体でセキュリティー対策が施されるなど具体的な漏洩の危険は認められないとしたが、個人情報を利用する国の事務が270種を超えて拡大し続けている現状などを指摘。行政機関が住民票コードをマスターキーのように使い、個人情報が際限なく集積・結合されて利用されていく危険性があるなど、住基ネットの制度自体に欠陥があると断定した。
こうした欠陥が主原因となり、「多くの個人情報が本人の予期しないところで利用される危険があり、住民の人格的自律を著しく脅かす危険をもたらす」と述べた。
04年2月の一審判決は「個人情報保護のための種々の措置がとられており、危険なシステムとは認められない」して原告の請求を退けていた。
http://www.asahi.com/national/update/1130/OSK200611300070.html