2006年11月28日(火) 13時01分
ばんえい競馬:存続断念 関係者、無念の表情−−売り上げも伸びず /北海道(毎日新聞)
帯広、岩見沢両市長がばんえい競馬の存続断念を表明した27日。同競馬北見シリーズは最終日を迎え、先週の月曜日のほぼ倍の1160人が詰めかけた。しかし、同シリーズの発売額は約19億7217万円、1日平均の発売額は計画比82%、前年対比86%にとどまり、人気低迷に歯止めはかからなかった。調教師や騎手ら関係者からはばんえい廃止に怒りや不安の声が上がるが、発売額減という事実の前に、存続への大きな動きにはつながらなかった。
「不安でいっぱいです」。同シリーズの最終レース「コカ・コーラ杯」を制したカネサブラックの調教師、村上慎一さん(35)は声をふるわせた。
十勝管内足寄町出身。高校卒業後、きゅう務員を5年、騎手を8年、そして調教師を4年。他の世界に身を置いたことがない。どう生きるか、どんな仕事をすればよいのか。「見当がつかない」という。帯広市と岩見沢市だけでなく、旭川、北見の両市にも怒りをぶつける。「もしかしたら存続か」という局面の好転も感じていただけに、無念さが募っている。
北見シリーズ最終日とあって妻、ヒサ子さん(67)と一緒に来場した網走管内津別町の赤根時夫さん(70)は、二十数年前、北見で開かれるときだけばんえい競馬の騎手を3〜4年間続けた。「存続するかどうか半々という見方をしていた。さびしいね」としんみり語った。
道市営競馬組合によると、北見シリーズを加えた06年度累計の発売額は約86億7526万円で、計画比で87%、対前年比で92%。存廃問題がクローズアップされ、道民の関心は高まったが、売り上げ増には結びつかなかった。【高橋正博】
11月28日朝刊
(毎日新聞) - 11月28日13時1分更新
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