2006年11月26日(日) 03時06分
<タウンミーティング>公務員動員15回 毎日新聞調査(毎日新聞)
政府主催のタウンミーティング(TM、全174回開催)で「やらせ質問」問題などが発覚したことを受け、毎日新聞は22〜25日、第2回全国調査を実施した。その結果、政府の依頼で自治体が職員を対象に参加者を募る「公務員の動員」について、安倍晋三首相が今年5月、官房長官時代に出席した札幌市のTMでも行われていたことが新たに判明した。動員のあったケースは札幌分を含めて少なくとも15回に上り、特に小泉前政権末期の06年度には計19回のTMのうち5回と多かった。会場を満席にするため、公務員による「穴埋め」が常態化しつつあったことが分かった。
札幌市でのTMは、安倍首相が目玉政策として推進してきた「再チャレンジ」がテーマ。内閣府が口頭で「数十人集めてほしい」と北海道庁に要請。道庁は各部に参加を呼びかけ、幹部を含めた道職員数十人が参加者として事前登録した。06年度に道内で開かれた他2回のTMでも同様の要請・呼びかけがあった。
公務員らの動員は判明しただけで01〜03年度の6回に対し、04〜06年度は9回に達した。今年4月の富山市でのTMでは内閣府が「参加者が少ない。50人集められないか」と県に要請。01年11月の水戸市のTMでも茨城県が呼びかけ、職員ら約60人が申し込んでいた。
また、県などが質問者をあっせんしたケースは調査で判明した分だけでも20回に上った。「少子化」をテーマにした今年8月の岐阜県飛騨市のTMでは、市が保護者会関係者ら15人に質問を依頼し、質問内容は市の配布資料を参考に自主的に考えるよう要請した。当日は9人の質問者のうち、5人が市の依頼したメンバーだった。
一方、「やらせ質問」は教育改革を扱った計5回のTMに加え、02年11月に京都市で内閣府と京都大が共催した「大学発タウンミーティング」でも行われていたことが発覚した。「経済連携」をテーマとした04年9月の鹿児島市のTMでも「未遂」が判明している。
内閣府の「タウンミーティング調査委員会」(委員長・林芳正副内閣相)は都道府県や関係省庁の担当者などを対象に実態調査に乗り出しており、27日以降、調査結果を順次公表する方針だ。【まとめ・谷川貴史、渡辺創】
(毎日新聞) - 11月26日3時6分更新
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