2006年11月24日(金) 19時37分
マンガミュージアム開館の意義探る 上京で記念フォーラム(京都新聞)
ミュージアムの意義などについて語り合うパネリストら(京都市上京区・金剛能楽堂)
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漫画資料を保存・展示し、漫画文化を研究する総合施設「京都国際マンガミュージアム」(養老孟司館長)の開館記念フォーラムが24日、京都市上京区の金剛能楽堂で開かれ、漫画家やアニメ映画監督ら4人がミュージアムの意義や役割を語り合った。
フォーラムではまず「ミュージアムが生きて動き、なくてはならない座標軸のようになることが大事」との養老館長のメッセージをビデオで紹介した。
続いてパネル討論に移り、アニメ映画監督の高畑勲氏が「漫画は日本人の感性によって発達した」とした上で「本家と言われる今こそ海外の作品を勉強する時。ミュージアムがその拠点となるべき」と述べた。漫画コラムニストの夏目房之介氏もマンガミュージアムが研究施設である点に特色があるとし、「日本漫画の特徴などを学ぶ海外の研究者が集い、一方で地域に根差す施設であってほしい」と期待した。
また、漫画家で京都精華大教授の竹宮惠子氏は「さまざまな表現法を伝える豊富な資料を授業に生かしたい。漫画を通して日本を知る施設になれば」と話し、元文化庁文化部長の寺脇研氏は大学と行政、地域が造った意義を強調、「大学の教育・研究要素、地域に開放する文化的要素をどう育てるかが肝心」と述べた。
このほか、絵巻と漫画の関係や日本漫画の国際性などにも話が及び、約400人が熱心に耳を傾けた。
ミュージアムは、市と京都精華大が中京区烏丸通御池上ルの元龍池小を増改築して整備。明治以降の漫画本や雑誌など20万冊を所蔵し、25日にオープンする。
(京都新聞) - 11月24日19時37分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061124-00000034-kyt-l26