2006年11月24日(金) 17時07分
裏金 私的流用底無し 長崎県調査委報告 平戸牛にネクタイ… 「全容解明は困難」(西日本新聞)
長崎県の不正会計問題で、外部調査委員会(永田雅英委員長)は24日、金子原二郎知事に提出した報告書の中で、一部部署が「預け」と呼ばれる裏金でビール券や平戸牛セットを購入するなど組織的に私的流用していたことを明らかにした。このほか、1職員が裏金を350万円以上も私的流用していた事実を指摘するなど、県職員の公金意識の欠如をあらためて浮き彫りにした。
組織的な私的流用を指摘されたのは長崎土木事務所。同事務所はこれまでの県の内部調査でも、上司への還暦祝い(ゴルフクラブ)やゴルフコンペ景品(米130キロ、ゴルフクラブ)などに裏金を使ったことが分かっていたが、新たな私的流用が次々に判明。ビール券200枚(約14万円)、平戸牛セット・チャンポンセット各6個(約17万円)、ネクタイ10本・ストッキング10足(約12万円)‐などを裏金で購入していた。
また県が同日付で懲戒免職処分とした職員について、報告書は「納入業者と職員個人の癒着を背景に、私的な飲食代を数年にわたって支払わせ、年によっては200万円以上に上るケースも発覚した」と記述。ほかにも、裏金から150万円を超える額を支払わせ、私的に使っていたとした。
ただ、この職員と業者から証言は得られているものの、領収書などの証拠書類はなく、最終的な金額は不明という。
弁護士と税理士9人でつくる外部調査委は今月6日から集中的に調査をしてきたが、不正会計に関係した約90社の業者のうち、帳簿類を提出したのはわずか5社。職員の協力も一部にとどまったという。
報告書提出後に会見した永田委員長は「書類を既に廃棄したと言われれば、それ以上は調べようがない。限られた証言で、必ずしも全容の解明に至っていないのが正直なところだ」と厳しい表情を崩さなかった。
=2006/11/24付 西日本新聞夕刊=
(西日本新聞) - 11月24日17時7分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061124-00000020-nnp-l42