2006年11月24日(金) 08時01分
米グーグル株500ドル突破 “ひとり勝ち”いつまで(産経新聞)
■なお成長かバブル破裂か
【ロサンゼルス=松尾理也】米インターネット検索最大手グーグルの株価が21日、500ドルを突破したことで、同社の将来性をめぐる論議が一段と活発化している。米ヤフー、電子商取引大手のアマゾンなど他のIT大手の株価が伸び悩む中、果たして、グーグルはいつまで“ひとり勝ち”を続けられるのか。市場ではグーグルに対する期待と不安が交錯している。
グーグルは2004年8月に公募価格85ドルでナスダック市場に上場。以来、2年3カ月で株価は6倍近くに膨らんだ。時価総額は約1560億ドル(約18兆4000億円)と米国企業で15位。IBMやインテルをも上回る。
今年に入ってもグーグルの株価は55%近く上げており、米ヤフーの株価が30%減、アマゾンが10%程度株価を下げているのとは対照的だ。
グーグルは1週間に100人のペースで従業員が増えており、昨年1年間の求人への応募は全世界で100万人に達したとされる。
ロサンゼルス・タイムズ紙は「これほどの急成長が持続可能なのか、あるいはまたもやITバブルが破裂寸前にあるという予兆なのか、投資家の間で議論が起きている」と指摘した。
大勢は、まだまだ成長は続くという見方のようだ。ブルームバーグ・ニュースによると、グーグルの大株主上位10者のうち9者が直近の四半期にグーグル株を買い増したという。同ニュースはグーグルの株価が600ドルに達するとのアナリストの分析を紹介。AP通信もグーグルの株価は当分上がり続けるだろうとの観測を伝えた。
ただ、あまりの急成長に懐疑的な見方も出始めている。USA TODAYは投資家にとっては、2000年から01年にかけてのITバブル崩壊の記憶を呼び起こすような状況だと指摘。「グーグルには将来性があるが、すでに市場で評価されつくしてしまった」とのコメントを伝えた。
ニューヨーク・タイムズは「グーグルへの投資熱がいずれ冷めることは避けられず、ITバブル崩壊の前例と同じく、株価は急落するだろう」とのアナリストの意見を紹介している。
(産経新聞) - 11月24日8時1分更新
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