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2006年11月24日(金) 23時43分

<近未来通信>不透明な事業内容 集団訴訟の動きも毎日新聞

 IP電話会社「近未来通信」(東京都中央区)は24日、電気通信事業法に基づいて総務省から命令された事業内容の報告を文書で提出した。契約者数などを報告したが、一部データが古いため、再度報告を求める方針だ。報告を精査した上で、立ち入り検査するかどうかを判断する。同社については、都が税滞納を理由に捜索したほか、出資者からは民事訴訟も起こされるなど、問題が拡大している。【森有正、北村和巳、清水隆明】
 ■総務省
 報告書の内容は、契約者数や通信料収入のほか、通信ネットワークの構成、他の電話会社との契約状況など。報告書はバイク便で届けられ、担当者は姿を見せなかった。
 同省は、固定電話より安いIP電話や、国際電話用プリペイドカードを販売をする同社のサービスに不透明な点が多いとして、10月末に契約者数などの事業内容の詳細を11月9日までに報告するよう命令。これに対して同社は「データをそろえるのに時間がかかる」として期限を17日に延ばし、さらに24日まで再延長するよう求めていた。
 ■東京都
 都は11月上旬、同社の資金集めなどについて、特定商取引法と都消費生活条例に違反する疑いがあるとして、是正を求める行政指導をした。20日を期限に改善計画書の提出を求めたが応じず、業務停止命令など行政処分も検討。22日には、法人事業税など約6000万円を滞納しているとして本社などを捜索した。
 都によると、同社はプリペイドカード販売で、売り上げなどに応じ利益が得られる「販売代理店」を勧誘。これは同法が規制する連鎖販売取引(マルチ商法)に当たり、契約時に虚偽説明や書面不交付など禁止行為をしていた疑いがある。設備費用を負担すれば配当する「中継局オーナー制度」については、同社側が一方的に配当や解約を決めるなど契約に不当な取引条項があり、同条例違反の可能性がある。
 こうした情報を都は警視庁に提供しており、今後は告発も視野に、対応を協議する方針だ。
 ■出資者
 東京の3弁護士会が21日に開いた電話相談「金融商品被害110番」には、近未来関係で全体の8割以上を占める177件の相談が寄せられた。最高出資額は6620万円で、50代の相談が52人と最も多かった。24日現在も「ひっきりなしに相談電話がかかってくる」(事務局の第2東京弁護士会人権課)状態で、全国の消費者センターにも21日までに、223件の苦情があった。弁護士会は早ければ来週にも、弁護団を編成する方針だ。
 前橋市の無職男性(61)が約2700万円の賠償を求め提訴するなど、既に複数の訴訟が起こされ、今後集団訴訟が起こされる可能性もある。
 千葉県旭市のカラオケ店経営者(60)は、03年から1570万円投資したが、今年9月から配当が止まり、680万円が未回収になっている。「老後のためにためた資金。もう預金もなく、どうすればいいのか」と途方にくれている。
 近未来通信 97年、資本金約6500万円で設立され、06年7月期の売上高は245億円。当初は毛皮や宝石類を販売していたが、翌年、国際電話用プリペイドカード販売や、インターネットを経由して音声を伝えるIP電話サービス事業を始めた。この際、他社の電話網とつなぐ中継局の通信サーバー設置費用を投資家に出してもらい、通話料の一部を配当する「中継局オーナー」制度を構築。新聞や週刊誌に広告を出し、各地で説明会を開き出資を募った。
 オーナーになるには、加盟金約200万円と設備費約900万円の最低でも計1100万円が必要で、約900〜3000人から、総額200億〜400億円を集めたといわれているが、配当の支払いが滞っているとして弁護士会などに苦情が殺到。同社は20日、本社事務所などを閉鎖し、出資者からの連絡が取れない状態になっている。
(毎日新聞) - 11月24日23時43分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061124-00000151-mai-soci