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【高い部品代】
この驚くべき試算を弾き出したのは、米調査会社のアイサプライ社。同社の分析では、PS3に使われている部品の価格を積み上げたコストは806ドル(約9万5000円)に達した。
PS3の低価格版(20ギガバイトのハードディスク搭載)の米国での小売価格は499ドル(約5万9000円)だから、単純計算で、1台売るごとに307ドル(約3万6000円)の赤字が出る計算になるという。
日米では部品のコストが違ってくるため、この試算を単純に当てはめることはできないが、日本での低価格版の価格4万9980円を考えると、4万円前後の赤字が発生する計算になるとみられる。
ここまで部品が高くついているのは、高性能なものを使っているため。試算では、PS3内部に搭載された高性能半導体「セル」を1個89ドル(約1万500円)、次世代DVD「ブルーレイ・ディスク」のドライブを125ドル(約1万4800円)とみている。
アイサプライ社はこの損失幅について「異例」と指摘する一方、「どの家庭用電子機器よりも高い速度と処理能力を提供するもので、価格とコストに十分見合う非常に良い買い物」とPS3を絶賛している。
【改善に自信】
PS3を製造・販売しているソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は仰天試算について「特にコメントはない」(広報部)。
ゲーム業界では、ゲーム機本体の初期赤字をソフトの売り上げでカバーする手法がよくあるが、「PS3はハード(ゲーム機)でも利益を出していくビジネスモデル。さまざまなコスト削減の努力をしており、時が来れば解決する問題」(同)と自信をみせる。
また、ブルーレイなど基幹部品の一部はソニー内で製造しているため、「グループの収益にもつながる」(同)という。
ソニーは今9月中間期決算発表の席上、「来期にコストダウンバージョンのPS3が出る」ことを示唆。今期はゲーム事業全体で2000億円の営業赤字を見込むが、来期は大幅に改善すると自信をみせていた。
先代のPS2は、発売から約1年半後に黒字化した。PS3は年内に日米各100万台の出荷を目指す。「たくさん売れること自体がコストダウン」とSCE。米マイクロソフトのXbox360、任天堂のWiiなどのライバルがひしめくなか、SCEの目論見通りにいくだろうか…。
ZAKZAK 2006/11/24