2006年11月23日(木) 10時00分
米、あすクリスマス商戦スタート 新型ゲーム機発売で中盤戦 家計苦しく業界弱気(フジサンケイ ビジネスアイ)
クリスマス商戦を目前に控え、クリスマスツリーのライトアップが施された大手百貨店メーシーズ=19日、ニューヨーク(ロイター)
|
年間小売り売上高の2割を占めるといわれる米国のクリスマス商戦が24日、スタートする。小売業界は強気の見通しを示していたが、米経済の減速傾向が強まるとともに、商戦が不調に終わる心配も指摘され始めた。
クリスマス商戦では例年、グリーティング・カードや装飾品、食品、玩具などが売れるが、今年は24日の本番を待たずに、任天堂の「Wii(ウィー)」やソニー・コンピュータエンタテインメントの「プレイステーション3」など新型ゲーム機が相次いで発売され、早くも中盤戦の様相を見せている。
全米小売業協会は11〜12月の売上高を前年比5%増の4574億ドル(約53兆9700億円)と過去数年の平均伸び率を上回る高い予測を発表していたが、ここへ来て弱気の見方が台頭してきている。
家計に大きな影響を与えるエネルギー価格が夏場以降、安定的に推移している一方で、住宅市場の冷え込みに伴い、資産効果が薄れていることが原因だ。
米消費者連合と米クレジット・ユニオン協会によるクリスマス商戦の消費調査では、消費者の32%が「前年より支出を減らしたい」と回答。52%が「前年とほぼ同額」、「増やす」との回答は15%にとどまった。
支出削減の理由には「エネルギー価格がなお高水準にある」、「家計が苦しい」などが挙げられ、ロイター通信によると「ガソリン価格が低下しているにもかかわらず、若者や裕福でない世帯は昨年に比べ家計が悪化している」(米消費者連合幹部が)という。
全米小売業協会は「ガソリン価格が下がり続ければ売り上げは多少伸びる」とみている。
ロイター通信によると、米クレジットカード大手マスターカードは、今年のクリスマス商戦での平均支出が約700ドル(約8万2600円)と予測。うち300ドルがインターネット経由の購入に充てられると分析している。(坂本一之)
(フジサンケイ ビジネスアイ) - 11月23日10時0分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061123-00000010-fsi-bus_all