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投資家への配当が滞るなど経営が混乱しているIP電話会社「近未来通信」(東京都中央区)に対し、東京都は22日、都税を滞納しているとして、本社を捜索した。
国税徴収法に基づく強制調査で、不透明な経営実態が8月末に明るみに出て以降、同社に強制調査が入ったのは初めて。
一方、投資家の相談を受けている弁護士有志は、来週中にも弁護団を結成する方針だ。
関係者によると、滞納している都税は、法人事業税と法人都民税で、延滞分を含め計約6000万円とみられる。
捜索は午後から、都主税局や中央都税事務所の職員計15人で約4時間行われた。都側は既に預貯金を差し押さえているが、新たに車1台とアクセサリーなど数点を差し押さえた。本社では社員数人が応対したが、幹部が不在で滞納分の支払い意思を確認できなかったという。
都などによると、法人事業税などの一部は納付されているが、同社が決算上、売上高を飛躍的に伸ばしていた数年前から滞納していた。都では、同社が再三の督促に応じず、担保の提出期限も守られなかったため、捜索が必要と判断。今月20日に本社をいったん閉鎖したり、同社幹部と連絡が取れなくなったりしたこともあり、この日の捜索に踏み切ったとみられる。
一方、東京の3弁護士会が21日実施した電話相談に投資家から177件の相談が寄せられ、弁護団結成の動きも本格化している。
◆この夏にも、国税から追徴課税◆
都の捜索を受けたことで、近未来通信が資金繰りに窮している事情が、一層鮮明になった。同社は22日、本社に「臨時休業」の紙を張り出し、投資家への対応を放棄したまま。投資金の返還を求めて集まった投資家らが、捜索を見守った。
近未来通信は今夏、東京国税局から所得隠しなどを指摘され、法人税など約2億5000万円を追徴課税された。同社関係者によると、この時も滞納しそうになり、同国税局から銀行口座を差し押さえられたため、急いで一括払い。追徴課税について、同社役員は社内で「もうかっている会社だから、そういうことがある」と説明したという。
しかし、「IP電話の利用料から定期収入が得られる」という触れ込みとは異なり、投資家への配当に別の投資家からの資金を充てていたことを、読売新聞が8月末に報じて以降、解約要求が殺到。配当が滞ったり、減額されたりするようになった。毎月、15億〜20億円あった投資家からの資金も、9月には約5億円に激減。10月には社員の給与も半減し、今月に入ってからは、投資家に「来年1月まで配当は払えない」と一方的に通知していた。