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銚子電鉄が購入を呼びかけている「ぬれ煎餅」
「電車修理代を稼がなくちゃ、いけないんです」と、協力をよびかけるメッセージ=銚子電鉄ホームページから
銚子電鉄は、JR銚子駅と犬吠埼や外川漁港を結ぶ全長6.4キロのミニ鉄道。同社によると「緊急報告」は16日、HPのトップページに小川文雄社長、労組委員長、従業員一同の連名で載せた。
毎年下期に実施している車両の法定点検が、資金不足で発注できず、運行に使える5両のうち、すでに1両は期限が切れた。今後、年明けまでに1両、年度末までに2両の期限も切れる。
点検や摩耗した車輪の交換には、1両あたり400万円以上かかるが、「日常点検もあり、4両はないと通常通りの運行ができない」。最低でも年度末までに3両分の検査が必要で、約1200万円を集めたいという。
売り上げにして5000万円以上、同社のぬれ煎餅1枚(85円)に単純換算すれば、約59万枚を売らねばならない。「お客様に迷惑をかけたくない思いで載せた」と担当者。他にもキーホルダーなど鉄道グッズの購入と、電車の利用を呼びかけている。
20日までに、全国から寄せられた注文のメールは1千件を超えた。「レール文鎮」は、人気のあまり在庫切れに。「一日も長く走ってくれ」などと、全国の鉄道ファンたちから激励の声も寄せられているという。
「ぬれ煎餅」は95年、同社の増収策のひとつとして製造販売を開始。同電鉄の駅やJR千葉駅、錦糸町駅のキヨスクなどのほか、インターネットでも販売している。しっとりとした柔らかさが人気で、昨年度は本体の鉄道事業の約1億1500万円の1.6倍となる約1億8000万円を売り上げた。
同社をめぐっては、今年8月、前社長が借入金を着服した業務上横領容疑で逮捕された。起訴状などによると、総額は1億円以上とされる。同社は、この影響もあって銀行からの融資は停止されていると説明する。
http://www.asahi.com/national/update/1121/TKY200611210303.html