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2006年11月10日(金) 00時00分

横浜事件来月結審 元被告の遺族「悔しい」朝日新聞

  戦時下最大の言論弾圧事件といわれる「横浜事件」の再審控訴審。東京高裁は9日、証拠調べをせず、証人出廷もないまま、来月の第2回公判で結審することを宣言した。名誉回復のために無罪判決を求めた人たちの願いは、退けられる可能性が高まった。「悔しい」。会見に臨んだ遺族の表情は硬かった。

(岩波精)

  元被告で中央公論元出版部員だった故・木村亨さんの妻まきさん(57)は結審の宣言に、「大変驚いた。(実体審理という)玄関にも入れないなんて」と切り出した。

  86年の第1次再審請求から弁護人を務め、今年10月に93歳で亡くなった森川金寿弁護士から送られたという手紙を広げ、「『無罪を訴えるほか方法が浮かばない』と書かれている。私も、無罪でなければ、納得できない」と話した。

  弁護側が申請していた第2回公判でのまきさんの証人尋問は、採用されなかった。まきさんは「免訴判決がいかに不当かを訴えるつもりだった。拷問を加えた上、当事者が全員死亡するまで再審請求に応じなかったのは、司法の犯罪だと言いたかった」と話した。

  旧満州鉄道東京支社調査室主任だった故・平館利雄さんの長女道子さん(72)は「少し希望を持っていたがやはり同じだった」と語った。

  道子さんは昨年12月、横浜地裁で開かれた公判で、裁判長に「司法としての責任をどうお考えになるのか」と問いかけた。この日の会見でも「ともかく一抹でも日本の司法の公正さに希望を持ちたい」と訴え、「へこたれるわけにはいきません」と話した。

  雑誌「改造」元編集部次長の故・小林英三郎さんの長男佳一郎さん(65)は「なんでこうなるのか。無罪を認めると不都合があるのだろうか。不思議でしょうがない」と強い口調で言った。

http://mytown.asahi.com/kanagawa/news.php?k_id=15000000611100001