2006年11月09日(木) 07時05分
投票率は?読めぬ風向き 福島知事選 競り合う自・民(河北新報)
12日投票の福島県知事選の投票率を各陣営が測りかねている。出直し選挙の投票率は政治不信から低下する例が多く、今回の選挙戦も表面上はしらけムードだが、各種世論調査は共通して有権者の関心の高さを示した。静かだが高い関心が実際に投票につながるのかどうか、読みにくい選挙になっている。
「前知事のクリーンなイメージと現実との落差が大きく、県民には虚脱感がある。投票率は全県的に前回を下回るのでは」。ある陣営幹部は、逮捕された佐藤栄佐久前知事の地元郡山市などのしらけぶりを見て、こう予測していた。
ところが、河北新報社などマスコミ各社の調査では、関心度で逆の結果が出た。民主・社民推薦の佐藤雄平候補(58)と、自民・公明推薦の森雅子候補(42)の激しい競り合いもあって、各陣営の見方が次第に変わってきた。
佐藤候補陣営は「63—65%」、森候補陣営は「60—65%」と、過去最低だった前回(2004年)の50.76%を大きく上回ると予測。共産党推薦の小川英雄候補(57)陣営も「当初は50%割れとみていたが、50%台後半まではいく」と上方修正した。
一方で「県政への不信感はなお根強く、ふたを開けるまで分からない」と話す陣営関係者も多く、いずれも半信半疑だ。
最近の東北の出直し知事選では、ゼネコン汚職後の宮城県知事選(1993年)が45.32%から39.20%に、公金乱用問題後の秋田県知事選(97年)が77.23%から69.52%にそれぞれ低下している。しかし福島県では、汚職事件で逮捕された木村守江知事の辞職による76年の出直し知事選で73.67%から81.15%に跳ね上がった歴史がある。
投票率が上がれば、佐藤、森両候補のどちらに有利に働くかについても見方が割れる。
低投票率で強みを発揮する組織票は、佐藤候補陣営は労組票、森候補陣営は創価学会票、業界団体票と相半ば。高投票率で有利になる無党派層の集票力についても「政治経験の豊富さで安心感がある」(佐藤候補陣営)「若い女性で既存の政治にしがらみもないことが受ける」(森候補陣営)と、双方譲らない。
小川候補の陣営は「政治不信が強い有権者が棄権せずに投票すれば、前知事を支えた県議会与党への批判から、わが方が有利になる」と話している。
◇福島県知事選立候補者
小川 英雄57県労連議長無新(共推)
佐藤 雄平58前参院議員無新(民・社推)
高橋 喜重58発明家 無新
森 雅子42弁護士 無新(自・公推)
川田 昌成63元県議 無新
(河北新報) - 11月9日7時5分更新
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