2006年11月08日(水) 11時01分
県警裏金告発:元警部補による裏金作り証言、「コピー」などを初公表 /栃木(毎日新聞)
◇刑事告発に発展
県警の元警部補、阿久津武尚氏(60)が「架空領収証による裏金作りや、交通違反もみ消し」などを告発した問題は7日、市民団体「市民オンブズパーソン栃木」による刑事告発に発展した。団体側は同日、阿久津氏が現職時代に作成した領収証のコピーなど=写真=「物証」も初めて公表。一方の県警側は「当時の警察幹部らに聴取したが、告発の事実は確認していない」と説明しており、地検の対応が注目される。
団体が地検に告発したのは(1)架空領収証を作成した虚偽公文書作成・同行使罪(2)領収証の金額を裏金として詐取した詐欺罪(3)交通違反もみ消しの依頼に応じ、警察幹部が金品を収受した加重収賄罪——の3容疑。いずれも「被疑者不詳」だが、団体側は「阿久津氏が当時勤務していた旧黒羽署の上司の命令でかかわったり、署内で見聞きした事実」と主張している。
公表したのは領収証のほか、交通違反切符の写しで、阿久津氏が在職時にコピーした。領収証は2通で98、99年、阿久津氏が同署幹部の命令で書いたという。額面はいずれも1万円で、宇都宮市住吉町の「佐藤昭二」と、旧湯津上村佐良土(現大田原市)の「鈴木康男」あて。団体の調査では該当者はいないという。
交通違反切符は8人分で、阿久津氏が同署で違反切符の整理を担当していた際に、一部が抜き取られたもので、いずれも処分された形跡がないという。【吉井理記】
11月8日朝刊
(毎日新聞) - 11月8日11時1分更新
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