2006年11月05日(日) 08時00分
「偽芸能情報サイト」にご用心 ワンクリック詐欺に新手口(産経新聞)
インターネットのサイトをクリックしただけで架空料金を請求される「ワンクリック詐欺」で、偽の芸能情報サイトを窓口にするケースが全体の約5割に増えていることが、民間企業の調査で分かった。ワンクリック詐欺はアダルトサイトから誘導されることが多かったが、現在は偽芸能サイトからが最も多いという。東京都消費生活総合センターには今年度、この手のサイトに関する相談が約100件寄せられており、「手口が巧妙化しているので気をつけてほしい」と呼びかけている。
調査したのはURLのデータベースを作成・配信する会社の「ネットスター」(渋谷区)。同社が確認した偽芸能サイトは、昨年10−12月には、ワンクリック詐欺サイト全体の9%だったが、今年7−9月には48%に増加していた。ほとんどがブログ形式で作成されているのが特長だという。
このようなサイトは、タイトルや文章中に「芸能界の裏話」「芸能人の噂」などとあり、芸能人の写真や動画を掲載。写真やリンクをクリックすると年齢認証、会員登録に次々と誘導され、了解を続けると「登録完了。ありがとうございました」などというメッセージとともに料金の銀行振り込みを促す画面が表示される。銀行の口座番号のほか、本物だと信じ込ませるために会員IDなども一緒に表示されることがある。
また、慌てた利用者から相談を受け付けるように装って電子メールを送らせ、名前やメールアドレスなどの個人情報をだまし取る手口も多くなっているという。
ワンクリック詐欺では、今年6月に、会員登録が完了したと偽って名古屋市の男子大学生(20)らから計7万4000円をだまし取った東京都練馬区のシステムエンジニアの男(35)が詐欺容疑で香川県警に逮捕されているが、偽の芸能情報サイトを窓口にした事件の摘発はまだないという。
パソコン利用者からの相談を受け付ける独立行政法人「情報処理推進機構」は「詐欺サイトの場合は、『登録完了』となっても個人情報が盗まれている訳ではない。ほとんどが脅かしだけなので、落ち着いてお金を振り込まないでほしい」としている。
(産経新聞) - 11月5日8時0分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061105-00000008-san-soci