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2006年11月04日(土) 13時42分

平和大学、マニラに分校 定員の半数日本から朝日新聞

 平和構築に携わる人材育成のため、国連総会決議に基づき中米コスタリカに置かれている平和大学が来年4月、マニラに分校を開校する。アジア出身者向けの修士課程を開設するのにあわせたもので、日本財団(笹川陽平会長)が資金援助する。1期30人の定員の半数は日本から選ぶ予定。途上国支援の経験を持ちながら、国際機関で働くのに必要な専門知識を学ぶ機会を持たない国際協力機構(JICA)の元青年海外協力隊員が念頭にある。

 平和大学は国連総会が80年に設置を決議し、翌81年に軍隊を持たないコスタリカに開設された。学生は平和構築や紛争管理などを学ぶ。

 このほど来日した同大学のジョルジュ・ツァイ副学長によると、マニラ校はアテネオ・デ・マニラ大学内に開設される。新修士課程は19カ月で、マニラ校で英語を5カ月学んだあとコスタリカ本校で専門の研究を半年、さらにマニラで4カ月学び、フィリピンの国際機関などで4カ月間、インターンとして活動する。

 国際機関への人的貢献で日本は遅れが指摘されるが、青年海外協力隊員の中には2年の派遣生活のあと国際機関で働くことを望む人が少なくない。ただ、途上国での経験から現地語には堪能な一方、高度な英語力が身に付いていなかったり、国際機関で働く際に求められることが多い修士号取得の機会がなかったりなどの理由で、あきらめる隊員も多いという。

 日本財団は分校開設費用のほか、奨学金など1期あたり約140万ドル(約1億6400万円)の支援を当面5期続ける予定だ。ツァイ副学長は「約40カ国から学生が集まるコスタリカで多様な文化に触れる一方、アジアにも焦点をあててほしい」と話す。

 新修士課程への応募締め切りは12月15日。募集要項は大学のサイトwww.upeace.org/からアクセスできる。

 〈平和大学〉 国連総会が80年に設置を決議した。翌81年、軍隊を持たないコスタリカに開設された。学生は平和構築や紛争管理などを学ぶ。国連機関である国連大学(東京)とは違い、国連から独立して運営され、修士、博士課程がある。02年度以降の修了生は計262人。うちアジア出身は中国、韓国、インドネシアなど18カ国の44人。うち日本は4人。

http://www.asahi.com/international/update/1104/012.html