2006年11月02日(木) 23時50分
インタビュー:アステル・コールウッドさん 米の「OTAKU」クリエーター(毎日新聞 まんたんウェブ)
「MANGA」「OTAKU」「COSPLAY」など日本発の文化が「カッコいい」と欧米で評価される中、米バージニア州でアニメ・マンガショップの経営者・アステル・コールウッドさん(34)は、マンガやアニメ、コスプレ、音楽をトータル展開するプロジェクト「天武」のクリエーターとして活動している。プロモーションと視察を兼ねて来日したコールウッドさんに話を聞いた。【渡辺圭】
——現在の活動は
コールウッド 日本のアニメやマンガを輸入して米国で販売する一方で、私が考えたストーリーやアイデアをマンガにして自主出版しています。それをテーマソングやコスプレーヤーなど、トータルでプロデュースしたのが「天武」です。言わばビジネスマンとクリエーターの両方ですね。
——日本のアニメやマンガを輸入しようと思ったのは
コールウッド それは「クール」の一言に尽きます。子供のころ、「科学忍者隊ガッチャマン」を見て、一気に日本の作品に目覚めました。登場人物の人間像が描かれているところが素晴らしいと思います。彼らからは心に秘めた熱い気持ちが伝わってきます。それに対して米国のマンガはマーケティング中心でハートがなくなってしまってますね。
——マンガはどうやって勉強しましたか
コールウッド 13歳の時からアニメの制作についての本を読み始め、その後、さまざまなジャンルや作者のマンガを読んで、マンガの描き方を学びました。完全な独学です。ストーリーの中身よりもコマ割りなどの演出と技術を読み込みましたね。また、アニメーターからアドバイスを受けたりアートの本を読んで勉強しました。父が建築家だったので、もしかしたらこうした方面の才能を受け継いでいたのかもしれませんね。
——米国にはあなたのようなクリエーター志望者は多いのですか
コールウッド 米国では日本的なマンガを発表できる機会が非常に少なく、チャンスはほとんどありません。だから、自分でインディーズレーベルを立ち上げて発信しています。日本的なマンガを描きたいと希望している人は多いでしょうけど、ここまでやってる人は少ないんじゃないかな。
——しかも、音楽やコスプレなどトータルプロデュースもしています。
コールウッド 日本のアニメやマンガが素晴らしいのはテーマソングや衣装まで、すべてが一つの世界観でコーディネートされているところです。しかも参加しているクリエーターはみな一流で、レベルの高いコラボレーションが行われています。米国に住むクリエーターとして、こうした日本式の作品作りをすることに意味があるし、肩を並べたいですね。
——日本に住んで日本で一流になることは考えましたか。
コールウッド 私の目標はあくまでも米国から文化を発信することなので、日本に住むことは考えていません。ただ、秋葉原を歩くと帰りたくなくなりますね。アニメ、マンガ、音楽、コスプレ……。一つの町にすべてが詰まっている。しかも国や自治体がバックアップしているという。素晴らしいと思います。異文化にダイブするのは非常に魅力的ですが、まずは自分の夢を実現させることが大切だと思っています。
アステル・コールウッド 米国在住の漫画家。日本のアニメDVDやマンガなどを輸入して販売する傍ら、自身でも作品を発表している。
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(毎日新聞 まんたんウェブ) - 11月2日23時50分更新
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