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国際放送が始まったのは、戦前の一九三五年。四四年には、二十四言語で一日延べ三十三時間五分の放送を行っていた。四五年九月、GHQ(連合国軍総司令部)の命令でいったん停止し、五二年に再開。九五年からは、テレビの国際放送も始まった。
現在の短波ラジオ放送は「NHKワールド・ラジオ日本」という名称。茨城県古河市にあるKDDI八俣送信所や、九つの海外中継局を使い、ニュースを中心に全世界に向けて発信されている。
放送は、大きく二つに分類できる。まず、一日延べ三十一時間、全世界向けに放送する「ジェネラル・サービス」(GS)。世界中どの地域でも聴くことができる放送で、日本語(20時間)と英語(11時間)の二本立て。日本語放送のメニューには「ラジオ深夜便」「のど自慢」などのほか、渡航や滞在の安全のための「海外安全情報」、大相撲中継もある。
一方、英語、朝鮮語、アラビア語、中国語、ペルシャ語など二十一の言語で地域ごとに放送するのが「リージョナル・サービス」(RS)。ニュースに加え、日本への理解を促進するためとして、日本の最新情報を伝える「ラジオジャパンフォーカス」や日本語講座などを放送している。放送時間は短いもので三十分(スウェーデン語)、長いもので四時間(中国語)、トータルでは一日延べ三十四時間。
聴取には六メガヘルツから二十一メガヘルツの周波数を受信できる短波ラジオが必要だが、実はインターネット(http://www.nhk.or.jp/rj/)のサイト上でも“聴く”ことができる。ご存じだっただろうか。
「ラジオは持ち運びが簡単。テレビやインターネットよりも手軽に、その国で起きたニュースを知ることができる。民放ラジオのようにリクエストに応えて曲を流したり、リスナーからのハガキを紹介してくれる外国の日本語放送もある」と話すのは、亜細亜大非常勤講師の山下透さん。NHKはもとより、短波を使った各国のラジオ国際放送を日常的に聴いている愛好者の団体「アジア放送研究会」の理事長だ。
「NHKワールド・ラジオ日本を聴いて三十四年」という筋金入りのリスナーは、今回の命令放送問題について、「拉致問題を重視した国際放送を誰のために行わせようとしているのか、はっきりしない」と指摘する。
「NHKは現在でも、ニュースなどで拉致問題をかなりの確率で取り上げている。すでに十分な量の情報は流れており、これ以上、何を流せというのか」と山下さん。
「北朝鮮の人たちに向けた放送をするというなら、聴いてもらいやすくしなければ意味がない。NHKの朝鮮語放送には、韓国や中国東北部のリスナーから『ほとんど聞こえない』と苦情が来ている。放送時間帯の見直しをはじめ、やるべきことはたくさんあるが、それらはわざわざ命令を出すことではないはずだ」というのだが…。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/hog/20061102/mng_____hog_____000.shtml