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「大人になりきれなかった」。ソフトバンクの孫正義社長は二十三日、新料金プランの緊急記者会見で余裕の表情でこう述べた。これまで「大人のソフトバンク」として劇的な値下げを暗に否定していたが、一転、新制度開始の前日に新プランを発表。「このままでは日本の携帯は世界一高いままで終わる。競争を喚起し携帯市場を活性化したい」と決意を述べた。
今回、ソフトバンクが発表した新料金プランは三点。ドコモやKDDIの料金プランとほぼ同様の料金体系で価格を二百十円割安に。さらに、「予想外割」は、ソフトバンク同士であれば通話、メールが無料になる。
ただ、ソフトバンク以外の携帯や固定電話には予想外割は適用されず、これまであった通話相手に関係なく一定額を無料にするサービスもなくなる。他事業者への通話料もこれまでより割高の場合もあって、ソフトバンク以外の電話が増えれば通話料がかさむ可能性もある。
他社からソフトバンクへの乗り換えが思った以上に進まず三社のシェアがあまり変わらなければ利益が減る恐れがある。その場合旧ボーダフォンを買収した際の巨額の借入金で圧迫されている財務を悪化させかねない。
一方、「料金を下げてシェアが変わらなければ利益が減る」(KDDIの小野寺正社長)とドコモやKDDIは値下げには消極的だったが、ソフトバンクへの対応を迫られることは必至。携帯業界では、一社が新しい割安料金を導入すれば他社が追随してきた歴史がある。ソフトバンクの奇襲は、他社の利用者に恩恵をもたらす可能性も出てきた。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kei/20061024/mng_____kei_____001.shtml