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■変更で割高も
東京都千代田区にある家電量販店大手のビックカメラ有楽町店本館。各社の番号継続制度の事前予約が始まった九月から、相談コーナーを設け客の対応をしている。
店内は携帯電話を手に取る会社員や学生らでにぎわう。だがビックカメラの原沢友之主任は「予想以上に事前予約は少ない」という。メールアドレスや端末に取り込んだ音楽は新しい会社の端末では使えない。こうした新制度の欠点が客の出足を鈍くしているようだ。
会社変更は費用も高い。解約手数料と新規契約料で計五千円前後。長期契約割引は引き継げず、変更で通話料が高くなる場合も。長期契約割引を中途解約すれば、別に手数料もかかる。
調査会社「MM総研」が六月に行った調査によると、番号継続制度の利用希望者は11%。横田英明アナリストは「欠点が浸透し利用者はさらに減るのでは」とみる。
■進む多機能化
今年九月末の携帯電話契約数は九千三百八十一万台。本年度上半期の新規契約数から解約を差し引いた純増数は、KDDIが九十六万四千台でトップだった。
膨大な契約数は、新制度の利用がわずかであっても業界地図を塗り替える可能性があることを示唆する。仮に半年間で利用者が1%だけでも九十三万台が契約会社を変えることになり、KDDIの純増数と大差がない。そのためサービスの穴が通信事業者にとって致命傷となりかねない。
NTTドコモ十四、KDDI十二、ソフトバンク十三とそれぞれ過去最多となる新機種を一度に発表。おサイフケータイやインターネット検索、音楽など多機能化も加速する。KDDIの小野寺正社長は「客のニーズはどんどん多様化している」とサービス向上の重要性を強調する。
■快適さ改善
各社が重視するのが通話のつながりやすさだ。KDDIのauに比べて、高速大容量の第三世代携帯の移行で遅れたドコモは本年度、約六千四百億円を投じてアンテナ基地局を約一万三千八百カ所増やし、約四万四千カ所まで広げる。ドコモの中村維夫社長は「ネットワークの穴があったら知らせてほしい」と呼び掛ける。
旧ボーダフォン日本法人はつながりにくさで客離れを招いた。しかし同社を買収したソフトバンクは、今後一年間で従来の約二倍の四万六千カ所まで基地局を増設する。孫正義社長は「新しい独自の技術でやっている」と自信をのぞかせる。
一方、期待された各社の通話料値下げは見送られた。価格競争の引き金役ともみられたソフトバンクも、ボーダフォン買収費用がかさみ値下げに踏み切りづらい状況だ。
価格競争で各社が恐れるのが利益の減少。香港では番号継続制度の導入が劇的な値下げ合戦を招いた。八割以上の契約者が同制度を利用した結果、多くの社が赤字に転落した。
こうした中、来年三月に携帯電話に新規参入するイー・モバイルは値下げを示唆する。KDDIの小野寺社長は、「価格競争に対抗するには、価格競争しかない」と警戒する。一社が先陣を切れば、連鎖的な値下げ合戦が始まる展開もありそうだ。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kakushin/20061022/mng_____kakushin000.shtml