2006年10月21日(土) 16時01分
ベルル共済:営業停止 顧客ら次々駆けつける 「何の説明もない」戸惑いも /徳島(毎日新聞)
四国4県で共済商品を販売してきた「ベルル生命医療保障共済会」(本社・徳島市東大工町1)が顧客への説明もなく営業停止した。本社や各支社には20日、契約者の顧客らが心配そうな表情で次々と駆け付けた。
徳島市のビジネス街にある本社(四国営業本部)では、朝から顧客らが訪れ、無人のビルをのぞき込んだ。同会に加入する知り合いから様子を見てくるように頼まれた銀行員の男性(38)は「うちへの加入を求めたら『ベルルに入っている。他の銀行よりも利率が良い』と断られた。無認可だし大丈夫なのか、一体どんな運営をしているのかと思っていたが」と困惑した様子。
医療共済に加入していたという徳島市内の女性は5年前に知人の紹介で加入。15年満期で年金か介護保険に切り替えるタイプだった。年数回にわけ、既に数千万円の保険料を支払ったという。女性は所在なさげにビルを見上げ、「無責任よ。責任者を探してください」と声を震わせた。
県消費者情報センター(徳島市西新町)には、20日だけで7件の相談があった。
高知支社では顧客が次々と訪れ、騒然とした雰囲気に。社員は「会社から業務するなと言われ、何も分からない」と説明。相談に来た土佐市の主婦(50)は「お金が戻ってくるか、それが一番心配なのに何の説明もない」と戸惑いを隠せない様子。
同支社によると、19日昼過ぎ、本社から「明日から営業をしないよう」との連絡があった。しかし、顧客の相談に対応するため独自に営業した。林浩也・支社長代理は「大きなお金がなくなっているのは事実。会社として何の説明もなく解約もできない状態で、とにかくお客さまのお金を返すことが第一」と説明。週明けの23日からも対応するという。
今月に入り、給付金の支払いが滞るようになった。10日ごろには社長が死去。翌日には常務が倒れ、入院した。林支社長代理が入院中の常務を訪れたところ「もう金がない」と告げられたという。【深尾昭寛、加藤明子、向畑泰司、服部陽】
10月21日朝刊
(毎日新聞) - 10月21日16時1分更新
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