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「預けたお金はどうなるの」「今、入院したら何の保障もない」——。四国各県で幅広く共済事業を展開し、35億円もの資金を集めていた「ベルルライフサービス」(本社・徳島市東大工町1丁目)の破綻(はたん)が明らかになった20日、本社や支社には契約者らが次々と訪れ、怒りと不安をあらわにした。同社が共済事業を始める直前、社長(61)には別の資金流用疑惑が生じていたことも判明。当初から苦しい資金繰りでの事業展開だったとの見方もあり、問題の根は深そうだ。
社長は以前、建設関係者らが加入する全国建設工事業国民健康保険組合(本部・東京都中央区)の徳島、高知両県支部の運営を任され、保険料の徴収や各種手続きを請け負っていたという。同組合本部によると、98年、集めた保険料のうち、県内分約4億8400万円、高知県分約5億1400万円の流用が発覚。社長が計画的に全額返済すると約束し、同本部は刑事手続きを見送ったという。
社員の証言や東京商工リサーチ、帝国データバンクの両徳島支店によると、このころから、取引先との関係が悪化、資金繰りも苦しくなり、99年ごろから「ベルル生命医療保障共済会」の名で無許可共済事業を始めた。
がん共済や介護保障、個人年金などと幅広く共済事業を展開していたが、最近になって「社債」と称して高利を約束して資金を集めることもしていた。
20日、徳島市内の本社は、朝から窓のブラインドはすべて下ろされ、職員の姿はなかった。
営業停止を知らず、保険料を納めに訪れたサービス業の女性(35)は、入り口に張られた「休業」の張り紙を見て困惑。約2年前、がん共済や入院保障の契約を結び、毎月約1万円を納めていた。2日前に電話をかけた時は、変わった様子はなかったという。「振り込んだ金はどうなるのか。他の保険に入っていないから、今入院したら何も保障がない」と不安そうに話した。
「どうしていいか分からず、自分と同じ境遇の人がいないか探しに来た」という無職の70代女性はニュースを見て駆けつけた。加入後、担当者からお歳暮や、お中元、誕生日のプレゼントが欠かさず送られてきたという。「担当者の成績が上がるならと加入の金額を増やした。お客を大切にするしっかりとした会社だと思っていたのに」と肩を落とした。
社員4人が出社した高知市の高知支社には、朝からひっきりなしに加入者が訪れ、「今年に入り、ちゃんとした保険会社の認可が出るという連絡があったのに」「退職金1千万円を年金商品に一括して払った。一生懸命働いてためたお金が一瞬で消えた」「年金から180万円を介護共済に預けた。来年春に戻ってきたら旅行に行こうと思っていたのに。立ち直れん」などと訴えた。
ある社員は女性契約者に「いくらお金が戻るか、わたしたちでは分からない。何か動きがあったら連絡します。23日も必ずここのスタッフは出社します」と説明、「銀行口座引き落としを止めるよう銀行に連絡して下さい」と話していた。
林浩也・支社長代理によると、「お金を取り戻すには警察に動いてもらうしかない」として、現在、徳島県警に相談しているという。
http://mytown.asahi.com/tokushima/news.php?k_id=37000000610210003