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2006年10月20日(金) 22時43分

共同記者の証言拒絶、取材源秘匿は正当…東京高裁決定読売新聞

 米国の健康食品会社が米国政府に損害賠償を求めた訴訟の嘱託尋問に関連し、共同通信記者が取材源に関する証言を拒絶したことの当否が問われた裁判で、東京高裁(大喜多啓光裁判長)は、取材源の数など一部の質問について証言拒絶を認めなかった1審・東京地裁決定を取り消し、すべての証言拒絶に理由があるとする決定を出した。

 決定は19日付。

 記者の証言拒絶裁判では、最高裁が今月3日、NHK記者のケースで、「取材方法が一般の刑罰法令に触れるなどの事情がない限り、原則として取材源にかかわる証言は拒絶できる」とする初判断を示したが、下級審で争点となった公務員の守秘義務違反と取材源の秘匿の関係については明確な判断を示さなかった。

 この日の高裁決定は、最高裁決定を踏まえた上で、「(公務員の)情報提供が法律に違反したり、その内容が内部告発情報に当たらなかったりした場合でも、取材源の秘匿は認められる」と、明確に述べた。

 また、1審・東京地裁は共同通信の記者が証言を拒絶した41項目のうち、〈1〉情報が匿名を条件に提供されたものだったか〈2〉情報提供をする理由を伝えられたか——など取材プロセスに関する質問を含む10項目について証言拒絶を認めなかった。これに対し、高裁決定は、「個々の質問では取材源が具体的に特定されなくても質問が重なれば取材源の特定が可能になる」として証言拒絶を認め、取材源秘匿の範囲をさらに広げた。

 伊藤修一・共同通信社編集局次長の話「記者の取材源秘匿の範囲を広範に認めた決定で高く評価できる」

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20061020i416.htm