2006年10月19日(木) 10時07分
福岡の中2自殺 父「いじめ解明」要請 文科省担当者と面談(西日本新聞)
福岡県筑前町の三輪中2年の男子生徒(13)がいじめを苦に自殺したとみられる事件で、生徒の父親(40)が18日、同県教委で文部科学省の担当者らと面談し、真相解明に向けた現地調査や全国で発生しているいじめの実態把握などを要請した。
面談に先立ち、同省初等中等教育局の宮崎活志視学官ら3人は、県教委や筑前町教委から事実関係などを聴取。宮崎視学官は「程度や状況は調査中だが、教師による不適切な言動や、ほかの生徒からのからかいがあった」とし、19日に東京都内で開く都道府県・政令市教委担当者会議で調査結果を報告することを明らかにした。
面談では、2005年度までの7年間でいじめによる自殺者がゼロとする同省の統計について、父親は子どもの自殺者は年間100人を超えており、実態と隔たりがあるのではないかと指摘。同省は「調査方法に問題があれば改善しなければならない」と答えた。
また父親は、生徒が学校や教諭を選べるような仕組みの創設など、学校教育の見直しも要望。宮崎視学官は「(父親の)強い気持ちをどう教育に生かすか、課題として受け止めたい」と話した。
父親は県教委とも面談した後、記者会見し「文科省が福岡県に来て話ができたのは真相解明に向けた前進。今後、現地に入り、被害者と加害者の両方の意見を聞いて調査結果をきちんと報告してほしい」と述べた。また、父親は、いじめを誘発した男性教諭が入院していると学校側から報告を受けたことを明らかにした。
■別の教諭2年前暴言 三輪中女子生徒、不登校に
2年生の男子生徒(13)がいじめを苦に自殺したとみられる福岡県筑前町の三輪中学校(合谷(ごうや)智校長)で、2年前に女性教諭が当時2年生の女子生徒だった少女(15)に「頭がおかしい」などと不適切な発言をしていたことが18日、分かった。少女はショックでその後不登校となった。今回の事件では男子生徒の1年時の担任だった男性教諭(47)がいじめを誘発するような発言をしていたことが発覚しており、少女は「教諭が生徒に言葉の暴力を振るう三輪中の体質は何も変わっていない」と憤っている。
少女によると、2年前の7月、清掃の時間に友人数人と私語を交わしながらほうきで床を掃いていた際、見回りに来た女性教諭が「話をせずに掃除しなさい」と注意。直後に少女の顔を見ながら「あんた、ばかじゃないの」「頭がおかしい」とののしった。
少女は「なぜ、先生からさげすまれないといけないのか」と衝撃を受けた。納得できず女性教諭の自宅に電話した際、女性教諭は「転校してくる前の学校でも頭が悪かったらしいね」「茶髪に染めていたんでしょ」などと発言。抗議すると「本当のことを言っただけでしょ」と話したという。
母親に相談し、1週間後に女性教諭と校長室で面談した少女は「何か言うことはありませんか」と謝罪を求めたが、女性教諭は「何もないです」と答えたまま黙り込んだ。母親が抗議すると当時も校長だった合谷校長は「私にそういうこと言われても分からないですね」などと問題視していない態度を取ったという。
教諭と学校に不信感を抱いた少女はその後、卒業するまで学校を休みがちになった。この女性教諭は現在も同中に在籍している。
少女は「悔しくて何度も死にたいと思ったが、死にきれなかった。自殺した男子生徒が担任からいじめを受けていたと知り自分の体験を思い出し恐怖を覚えた」と話している。
同中の佐藤勝彦教頭は「事実かどうかを含め、一切コメントしない」と話した。
=2006/10/19付 西日本新聞朝刊=
(西日本新聞) - 10月19日10時7分更新
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