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福岡県筑前町の中2男子いじめ自殺事件では、学校側の説明が二転三転した。
自殺当日、この生徒は学校のトイレで、同級生に肩を押さえられ、ズボンを少し下ろされていた。その事実は14日、告別式後の記者会見で、合谷智校長が認めた。
だが、前日には報道陣の取材に「トイレにいた男子生徒7人から事情を聴いた」としながら「暴力や金銭の要求はなかったが、本人が言ったことに(周囲が)反応しないことが度重なっていたようだ」としか説明していなかった。
いじめとの因果関係が注目されている1年生当時の担任教諭の「偽善者」などという言動も、遺族が元担任らとのやり取りを公開したことで明るみに出て、学校側が認めた。さらに、担任の言動をいったん「一番大きな引き金」と表現したのを「誘因になったと思うが、主因かどうかはわからない」と翻した。
事件の背景解明をめぐっても迷走が続いた。
自殺後に生徒らに取ったアンケートで「いじめがある」と回答した生徒の割合を記者会見で質問され、校長はいったん「非常に少ない」と説明した。が、さらに聞かれると「数字では把握していないが、1割とかそれくらいではないか」。
さらに同校は、ここ数年のいじめ件数を「ゼロ」と町教委に報告していた。しかし、保護者説明会の場で教諭らが「7、8件あったが、今は解決した」と述べたことで、過去にもあったことが発覚した。
北海道滝川市の小6女児いじめ自殺事件も、女の子が首をつったのは1年以上も前。遺書もあった。昨年10月の段階で、すでに「修学旅行の部屋割りで、女児だけどのグループにも入れなかった」などの事実も把握していた。が、当時はいずれも「解決済み」の事柄として遺族に説明していた。
今年10月初めのいじめ発覚直後、市の安西輝恭教育長は「いじめを裏付ける決定的な事実は出てきていない」と発言。伊吹文部科学相の批判や全国からの抗議電話を招いた。「遺書の内容をふまえ、いじめと判断する」と認識を改めたが、事態は収まらず、安西教育長らの辞職に発展した。
ある同級生は、遺族の調査に女児への無視や陰口は「クラスのほぼ全員」と明かし、親類にこう話したという。「仲間に入れてあげたかった。でも、そうすると自分がいじめられるかもしれない。そう思うと授業中もガタガタ震えて勉強どころじゃなかった」
http://www.asahi.com/national/update/1017/TKY200610170499.html