2006年10月16日(月) 17時07分
生徒自殺の三輪中 全校生に実態調査 教諭の不適切言動把握へ(西日本新聞)
福岡県筑前町の三輪中学校の男子生徒(13)が、いじめを苦に自殺したとみられる事件で、同校は16日、自殺への誘因となった男子生徒の1年生時の担任教諭(47)の不適切な言動によって、他の生徒も苦しめられていなかったかなどを調べるための全校アンケートを実施した。
同校は、問題の教諭の言動について他の教職員は気付いていなかったとした上で、全校生徒対象のアンケートでは、問題の教諭の言動を含めて「全教職員に対して思っていることを書いてほしい」として無記名で実施した。
調査結果は16日中にも、自殺した生徒の両親に報告。保護者らに対しても近く説明する方針。アンケートは今後も継続して実施するという。
一方、同校の合谷(ごうや)智校長らは15日夜の緊急保護者会と16日未明の記者会見後、同日午前2時前に男子生徒の自宅を訪れ、約一時間半にわたり両親と面会。学校側は同級生の前で「偽善者」と呼ぶなど教諭の言動によって男子生徒の人間像が形成され、子どもたちによるいじめを誘発した、との認識は示した。しかし15日の面会では教諭の言動について「(自殺の)一番大きな引き金だった」としながら、この日の面会では不適切な言動は主に1年生の一学期だったなどとし、自殺との因果関係については、「もう少し多くの情報を得て、丁寧に考えていかねばならない」と説明し直した。
これに対して父親(40)は「教諭によるいじめは2年生になっても続いていたに違いない。学校側の説明は理解できない」と反論。体調を崩しているとされる教諭について「真相究明のためできるだけ出てきてすべてを話してほしい」と話した。
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●県教委に抗議殺到
福岡県筑前町の三輪中学校で起きたいじめ自殺事件で「教師のいじめ」が発覚したことで、同県教委には16日朝から、抗議や問い合わせの電話が相次ぎ、関係職員は対応に追われた。
県教委によると、「問題の教師をクビにしろ」「この教師をこのまま放っておいていいのか」など、学校や人事権を持つ県教委の対応に激しく抗議する内容がほとんど。県外の市民からのものも含まれ、一方的にまくしたてる感情的な声も少なくないという。
=2006/10/16付 西日本新聞夕刊=
(西日本新聞) - 10月16日17時7分更新
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