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有価証券報告書や各社への取材をもとに朝日新聞社がまとめた。天下り官僚を最も多く受け入れているのは武富士で、80年からこれまでに計9人。84年には大蔵省官房審議官を経験した秋吉良雄・元北海道開発事務次官が社長に就くなど3人が社長、副会長、副社長の各ポストに就いた。
プロミスは83年から6人で、うち2人が会長、1人が副会長に就任した。アコムは85年から4人、アイフルは83年から3人(うち会長1人)、三洋信販は84年に1人を受け入れ、現在も三洋信販を除く4社に計5人が在籍している。90年代半ばには5社に十数人が在籍した時期もあったが、00年代は数人で推移している。
旧大蔵省のOBには、銀行局長や印刷局長、税務大学校長ら幹部のほか、金融機関の検査業務にあたる金融検査官や上席金融検査官、国税庁幹部が含まれる。
消費者金融に対する監督業務は98年に旧大蔵省から金融監督庁(現金融庁)に引き継がれた。実際の業務は財務省の出先機関の地方財務局が金融庁の委託を受けて担当。現在、関東、近畿財務局などのOB3人が、3社の取締役や監査役に就いている。
国家公務員法は、離職後2年間は退職前のポストと密接な関係にある営利企業への再就職を原則禁じている。OBらの大半は、この期間が過ぎてから天下りしていた。ある社の顧問に入った元幹部は「退職後、数年たって役所から紹介を受けた」と話す。
大手消費者金融の元幹部は大蔵OBを受け入れた効果について「『銀行向けの看板』の威力が大きかった。銀行の融資が増えるとともに、銀行の役員が派遣されるようになり、資本面の不安が消えた」と話した。最高幹部として天下った大蔵OBは「会社からは、『(行政処分など)何か問題があった時にちゃんと相手(役所)を説得してくれ』と頼まれた」と証言している。
財務省大臣官房秘書課は官僚OBの再就職について、「一般に企業からOBの人材提供の要請があれば、情報を提供することはある。消費者金融にこうした情報を提供していたかどうかは、個別の再就職をすべて把握しているわけではないためわからない」という。一方、金融庁総務企画局総務課は「監督官庁であり、消費者金融への再就職の紹介はあり得ない」と話している。
http://www.asahi.com/national/update/1014/OSK200610140090.html