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少年による殺人・殺人未遂事件
「勉強しろ、部屋を片づけろと小言を言われ、いらいらしていた。中学になって特にうざったくなった」。神奈川県大和市で4月、中学1年の男子生徒が母親の首を刺し、殺人未遂容疑で補導された。少年は兄からも同じようなことを言われ、「家族はいらない」と思うようになったという。
6月には、奈良県で、医師の父から良い大学の医学部へ進学するよう期待されていた高校1年の男子生徒が自宅に火をつけて母親、弟妹を死なせ、大きな反響を呼んだ。男子生徒は「今までの自分の生活を消し去り、新たに生きていきたかった」と話したという。
刑事処分対象になる14歳以上の子どもによる親の殺害(未遂含む)は、年間3〜10件で推移していたのが、昨年は17件と急増した。今年も昨年に次ぐハイペースで、8月と9月にもそれぞれ2件ずつ相次いだ。
事件の急増を受け、警察庁は先月、少年による親の殺人・殺人未遂事件にどのような傾向があるのか分析に乗り出した。昨年と今年の目立った15事件を動機別に分類。「成績や生活態度を叱責(しっせき)・注意された」が過半数を占め、「異性交際を注意された」「親に暴力を振るわれた」などを上回った。
親に対する単純な憎しみを動機とするものよりも、自分らしさを取り戻すために、家族や家庭を消し去ろうとする衝動が目立つ。元東京家裁調査官の浅川道雄さんは「ここ数年の勝ち組・負け組という風潮が子どもの居場所を奪っている」と指摘。「我が子を勝ち組に入れたいと思う親と、自我が芽生え始めた子どもとの対立の場面も従来以上に増えている」と言う。
教育評論家の尾木直樹さんも「社会の二極化が進み、我が子を負け組にすまいとする親の不安が犯罪を加速させている」と話す。
http://www.asahi.com/national/update/1014/TKY200610140208.html