2006年10月04日(水) 16時37分
和歌山談合 大阪地検、本店など捜索(産経新聞)
和歌山県発注のトンネル工事をめぐる談合事件で、大阪地検特捜部は4日、競売入札妨害容疑で大手ゼネコン「大林組」本店(大阪市中央区)などの捜索に着手した。入札に参加した共同企業体(JV)の受注調整で、同社幹部が主導的な役割を果たした疑いが強まっており、特捜部は関係資料を押収し、談合の実態解明を進める。幹部の大阪府内の自宅も捜索を受けており、特捜部はこの幹部から事情を聴いている。
関係者によると、大林組幹部が受注調整を主導したとされるのは、和歌山県庁の捜索容疑となった平成16年11月10日に入札が行われた和歌山県旧大塔村(現田辺市)の「国道371号(仮称平瀬トンネル)特殊改良一種工事」や、かつらぎ町と高野町にまたがる「国道480号(仮称梨子ノ木トンネル)道路改築工事」など4件のトンネル工事。国道480号工事は大林組のJVが予定価格の97%に当たる17億2000万円で落札している。
幹部は長年にわたり関西の大型土木工事を取り仕切ってきたとされ、これらのトンネル工事の入札前、JVの筆頭会社のゼネコンに「落札予定会社に決まった」と電話連絡。決定の伝達を受けたゼネコンの担当者は、ほかの入札参加メンバーに電話をして自社の応札価格を伝え、価格調整していたという。
特捜部はこれまでに、和歌山県庁やハザマ大阪支店(大阪市北区)などゼネコン各社のほか、和歌山県内の公共工事に強い影響力を持つとされる大阪府南部のゴルフ場経営者(55)の自宅などを家宅捜索。今後、経営者と大林組幹部とのかかわりの有無についても捜査を進めるとみられる。
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【用語解説】大林組
明治25年創業のゼネコン大手。本社は東京都港区。資本金577億円。従業員9474人(平成18年3月現在)。昨年度の連結売上高は1兆4764億円。昨年、脇村典夫氏が社長に就任した。東京中央停車場(現・東京駅)、甲子園球場などをてがけ、最近では六本木ヒルズ、なんばパークスも建設。海外はアジア、北米でも事業を展開している。
(産経新聞) - 10月4日16時37分更新
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