2006年10月03日(火) 10時23分
小6女児自殺 いじめ、なお存在認めず…滝川市教委(毎日新聞)
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女児の自殺について説明する滝川市教委の安西輝恭教育長(右)と千葉潤指導室長=滝川市役所で2日午後4時すぎ、西端栄一郎写す |
北海道滝川市の小学校の教室で昨年9月、6年生の女児(当時12歳)が首をつり、その後死亡した問題で、市教育委員会は2日開いた記者会見で、「原因は現時点で特定できない」と述べ、いじめの存在を事実上認めないとの従来の見解を繰り返した。女児が「『キモイ』と言われてとてもつらくなりました」と記した遺書の内容について、市教委側は「クラス全員から言われたとの事実は出ていない」などとした。
安西輝恭教育長は市役所で開いた会見の冒頭、「心のサインをつかむことができず誠に申し訳ない。心からお悔やみ申し上げます」と述べた。
市教委側の説明によると、女児が江部乙小で首をつった昨年9月9日夕方、河江邦利校長が母親(37)の了解で一部を読み、同10月12日、遺族の読み上げで概略を把握したという。今年6月21日、遺族の了承でコピーを入手した。
遺書の内容で、女児が5年生時に「キモイ」と言われたことについて、市教委側はバレンタインチョコを渡そうとした同級生からの言葉と明かしたが、いじめには直結しないとの考えを示した。
また6年生の時、「私がチクリだったのか差べつされるようになりました」とした記述について、女児が友人のノートの内容を言いふらしたとしたうえで、「担任の指導がなされ、解決したと受け止めた」と説明した。
さらに教室が自殺を試みた現場となったことについて、安西教育長は「なぜ教室だったのか、おそらくさまざまなことがあったのだろう」と、今後も引き続き調査する考えを示したが、遺族に結果を伝える時期や調査方法は明言しなかった。
会見後、遺族の男性は「『いじめを認めない』とのマニュアルでもあるのではないか。10月12日には遺書の内容を教えているのに、6月まで知らないというのはおかしい」と不満を述べた。【遠藤拓、西端栄一郎】
(毎日新聞) - 10月3日10時23分更新
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