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PS3の発売前値下げという“妙手”を披露した久多良木健SCE社長=写真右。関係者の多くは「あの超強気の久多良木さんが折れるとは…」と驚きの声をあげた。
だが、「値下げは時間の問題だった」と、某有力ソフトメーカー幹部は内情をこう説明する。
「われわれもSCEさんに値下げをお願いしていた。任天堂のひとり勝ちは困る。すぐには売れなくても、ゆっくり売れ続ければいい」
流通関係者も「これで他のハードと対等に戦える。6万円台では、年末商戦の土俵にも上がらせてもらえなかった」と安(あん)堵(ど)の表情を見せる。
業界は歓迎ムード一色だが、値下げしてもPS3が売れる保証はない。「同時発売ソフトに人気ソフトがないのが弱み。東京ゲームショウのSCEブースで、一番人気は携帯用のPSPコーナーだった」という関係者もいるほどだ。
加えて、東京ゲームショウ=同中=でマイクロソフトが善戦したことも「PS3苦戦説」に拍車をかける。日本でのシェアが伸び悩み、「年明け撤退説」までささやかれていたが、ブースには長蛇の列が発生、160分待ちという同社最高記録まで作った。。
この記録を作ったのは、人気ゲーム「ファイナル・ファンタジー」シリーズの生みの親、坂口博信氏が手掛けたXbox360用ソフト「ブルードラゴン」。
マイクロソフトのXbox事業統括責任者、ピーター・ムーア氏は「SCEはハードを出すのが1年遅かった。われわれは今冬、日本以外でトップを取る自信があるし、日本市場も『ブルードラゴン』が牽引(けんいん)する。ポストPS2はわれわれだ」と胸を張る。
ムーア氏が自信を持つのも当然。同じくXbox360用ソフト「アイドルマスター」を出展した、バンダイナムコゲームスのブースにも大量の人が押し寄せ、関係者は嬉しい悲鳴を上げた。
石川祝男バンダイナムコゲームス社長は「今年の年末商戦はいけると思う。大切なのは、ハード別のマーケティングをしっかりやること。ゲーム市場の縮小も歯止めがかかると思う」と語る。
一方、挑戦を受けて立つ任天堂について、業界関係者は「家庭用ゲーム機市場でソニーに負けている任天堂は、次は絶対に勝たねばならない。岩田聡同社社長=同下=も『Wii』について、『存在理由をかけて戦う』と明言しており、年末商戦は見物だ」と解説する。
任天堂が悲願を達成するか、ソニーが意地を見せるか、伏兵マイクロソフトが漁夫の利を得るか。
業界頂上決戦バトルは、もうすぐ始まる。
ZAKZAK 2006/10/02