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ノート型パソコン用のソニー製充電池(リチウムイオン電池)に発火などの不具合が見つかった問題で、回収対象となる充電池が全世界で1000万個の規模に上り、ソニーのリコール(自主回収、無償交換)の負担額が500億円規模に達することが29日、明らかになった。
ソニーが28日、問題のあったものと同一タイプの自社製の充電池を納入したすべてのパソコンメーカーを対象にリコールを実施すると発表し、リコール対象が一気に広がったためだ。ソニー製充電池を採用しているパソコンメーカーの間でも、新たに、東芝などが、利用者からの充電池の回収を進める方針を発表し、影響が拡大している。
ソニーは今年8月時点で、米デル、米アップルコンピュータ製パソコンに搭載された充電池の回収に伴う費用の負担額を200〜300億円程度としていた。しかし、リコール対象が国内メーカーにも拡大したことで負担額はさらに膨らみ、業績悪化は避けられそうにない。2007年3月期に1300億円を見込んでいる税引き後利益は大幅に低下しそうだ。
当初、デル製品に始まったソニー製充電池の不具合問題は、次々と対象メーカーが広がり、結局、ソニーの納入先の全メーカー製品が回収の対象になった。ソニーの、後手に回った対応や、情報開示姿勢の甘さに社会的な批判が強まりそうだ。
29日には、デル、アップルに続いて、中国の聯想(レノボ、旧IBMパソコン部門)、東芝と富士通が利用者からの充電池の回収を進めると発表し、デルも10万個の充電池を追加リコールすると発表した。このほか、ソニー自身の製品や、日立製作所、シャープ、米ヒューレット・パッカードの製品にも使われている。
ソニーは、ソニー製充電池を使っているパソコンメーカー各社と、回収対象となる製品の確認や、回収方法について協議しており、米消費者製品安全委員会や経済産業省などとも協議したうえで、近く、充電池回収の対象となる機種名、回収方法などを公表する。
新たに対象となる製品の回収方法は、主に、利用者が自分のノート型パソコンからリチウム充電池を取り外したうえで、パソコンメーカーに送ったり、購入先の量販店に持ち込むなどして、新品の充電池と交換する方式になると見られる。