2006年09月30日(土) 08時00分
代理出産 親子認める判断 向井さんに朗報 東京高裁(産経新聞)
タレントの向井亜紀さん(41)と元プロレスラー、高田延彦さん(44)夫妻が2人の人工受精卵を使い、米ネバダ州で代理出産によって生まれた双子の出生届を受理しなかった東京都品川区長の処分取り消しを求めた家事審判の即時抗告審で、東京高裁は29日、申し立てを却下した東京家裁決定を取り消し、出生届受理を命じる決定をした。
南敏文裁判長は「一連の経緯に公序良俗に反する要素は見当たらず、子の福祉を優先すべきだ」と判断した。
向井さんは子宮がんで子宮を摘出後、代理出産を目指し、受精卵を米国人女性の子宮に移植。2003年に双子の男児が生まれた。しかし届出先の品川区から相談を受けた法務省が「向井さんを母とは認められない」と回答し、不受理となった。
東京家裁は昨年11月に申し立てを却下。向井さん側が東京高裁に即時抗告した。
向井さんは29日のブログに「このまま出生届が受理されるとは限りません(区側が上告する可能性もあります)が、アメリカにも日本にも親のない状態で育たなければならなくなり得る子供たちや、子宮を持たない女性、そして代理母に対する温かい視線が感じられます」と書いている。
品川区は「決定文を入手しておらず、事実確認できないのでコメントできない」としている。
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【用語解説】代理出産
妻が病気で子宮を摘出するなどして子どもを持てない夫婦が第三者の女性に子どもを産んでもらうこと。タレントの向井亜紀さんのように、妻の卵子と夫の精子を使う場合と、夫の精子を第三者の女性の卵子と体外受精する場合などがある。日本産科婦人科学会は代理出産を禁じ、厚生労働省の専門部会も禁止する最終報告をまとめた。しかし法制化はされていない。これまでに50代の夫婦が代理出産による双子の出生届を不受理とされたケースがあるが、大半は海外で得た出生証明書を基に日本で実子として届け、受理されている。
(産経新聞) - 9月30日8時0分更新
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