2006年09月26日(火) 08時32分

ＮＴＴ東　ひかり電話不具合謝罪　料金１億円を返還（フジサンケイ　ビジネスアイ）

　ＮＴＴ東日本の高部豊彦社長は２５日、東京・大手町のアーバンネット大手町ビルで記者会見し、光ファイバー回線を利用したＩＰ電話「ひかり電話」システムの不具合により先週１９日から３日にわたって通信しにくい状況が続いたことについて謝罪した。高部社長は、約８０万人のひかり電話ユーザーに対し、３日間の料金約１億円を返還する方針を示すとともに、再発防止に向けて社内にプロジェクトチームを発足させることを明らかにした。

　同社は同日、今回の不具合の原因の詳細を公表した。それによると、法人ユーザーの回線を制御するサーバーが、設計上は１秒間に１００回の発着信まで処理遅延が発生しないはずだったのが、１秒間に１０回となっていたことが連鎖的に全体のシステム不具合につながった。

　高部社長は「ソフトウエアのバグ（不具合）と考えている」としたうえで、すぐに原因が特定できなかったことについて謝罪した。

　また、その後のシステム復旧に向けた取り組みが遅れたことから、対応の迅速化を図るとともに、ユーザーに対する情報開示のあり方についても検討するため、新たにプロジェクトチームを結成する考えを明らかにした。

　ＮＴＴが進める既存の電話網からＩＰ網による電話への移行について、今回の問題が悪影響を与える可能性については、「信頼回復に努める」（高部社長）と述べるにとどまった。先週から自粛していた「ひかり電話」の販売は順次再開する。

　このほか、今回の問題と直接関係はないが、ひかり電話の一層の信頼性向上のために、来年度に予定していたサーバーなどの設備増強を前倒しして行う方針も示した。

　来年にも商用開始を予定しているＩＰ網による次世代ネットワークについては、「今回の事象を開発に反映したい」（高部社長）とし、計画は変更しない。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060926-00000015-fsi-ind