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午前10時前、地裁101号法廷。女児の写真を胸に抱いた両親がハンカチを握り締め、じっと見つめる中、小林被告はグレーのポロシャツにズボン姿で入廷した。
奥田裁判長が「求刑にかんがみ、主文は後回しにします」と述べ、極刑の可能性が高まると、小林被告は満面の笑みを浮かべ、右手を2回握り締めてガッツポーズをしてみせた。
「被告人を死刑に処する」−。死刑判決が言い渡された瞬間も手を組んで、けだるそうに首を左右に2回揺すった。裁判長に「判決は分かりましたか」と尋ねられると、1回だけ小さくうなずいた。
小林被告は昨年4月の初公判で起訴事実を認めた。しかし、結審まで明確な謝罪はなく、反省の態度を最後まで見せないままで、「死刑判決を受け、この世とおさらばしたい」と繰り返した。
小林被告の態度に、判決の言い渡しが終わっても女児の母(30)は全身の力が抜けたかのようにしばらく立ち上がることができず、法廷にはおえつが響いた。父(32)は赤くはれた目で、退廷する小林被告を見つめた。
裁判では、被害者1人の殺人事件での死刑選択の適否が最大の争点になった。従来、被害者が1人の殺人事件では、強盗など金銭目的か殺人の前科がある場合を除き、死刑は回避される傾向にあった。
しかし、裁判長は「被害者は1人だが、抵抗もままならない女児で、性的被害にも遭っている」と指摘。「罪刑の均衡と一般予防の見地からも、生命で償わせるほかない」と結論付けた。
ZAKZAK 2006/09/26