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ソフトバンクは今年4月、買収先のボーダフォンの資産を担保に融資を受けるレバレッジド・バイアウト(LBO)の手法で、複数の金融機関から総額約1兆1600億円の資金を調達したが、実はこれは1年間のつなぎ融資。しかも、数カ月おきに金利も上昇していくというもののため、借り換えが急務だった。
通常、資金調達の手法としては社債の発行や銀行からの借り入れなどがあるが、ソフトバンクは格付けが「ジャンク債(投機的)」に位置づけられているため、発行は困難。銀行からの借り入れも金利負担が懸念される。そこで浮上したのが、欧州などで発達している「事業の証券化」という手法だ。
まず携帯電話事業を切り離して証券化し、複数の金融機関に売却、1兆4500億円の資金を調達する。そして、同事業によって生み出されるキャッシュフロー(現金収入)を利払いや返済にあてる仕組みだ。銀行の借り入れよりも1%程度低い金利で資金が調達できるというのが最大のメリット。年間100億円以上の利払いを軽減できる。
もっとも、表面上の利率が下がっても、証券化は複雑な仕組みとなるため、手数料などコスト負担は銀行借り入れに比べて大きいのが通常だ。
NTTドコモやau(KDDI)は、10月24日にスタートする番号ポータビリティ制度(携帯会社を変えても電話番号は変わらない制度)の導入で、ボーダフォンの顧客層を切り崩しに来ることも予想され、防戦のためのキャンペーンにもカネがかかる。
孫正義社長は、4000億円を投じてNTTドコモを上回る数の携帯電話の基地局を設置すると宣言しており、設備投資も大きくのしかかる。
ボーダフォン日本法人はこれまで年間3000億円程度のキャッシュを生み出しているが、安定した経営が今後も続く保証はない。収益が計画を下回る場合、金融機関側から、経営陣の交代を迫られる恐れもある。
「そもそも総額1兆7500億円という買収資金自体が高すぎる。英ボーダフォン経営陣にしてやられたのでは」(通信業界関係者)との指摘もある。
携帯事業の成否がソフトバンクの今後を大きく左右することになる。
ZAKZAK 2006/09/26