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「ゲーム産業は今後のネットワーク時代に対峙(たいじ)しなければならない」。SCEの久多良木(くたらぎ)健社長は22日の基調講演で力説した。次世代機はネット接続機能によって、サーバーからソフトを取り入れるなど、ネットワークを重視した機器に変わるとの認識だ。
このゲームショウで200台を披露した「プレイステーション(PS)3」(11月発売予定)が高性能の中央演算処理装置(CPU)やハードディスクを備えるのもそのためだ。久多良木氏は「従来機用のゲームソフトをPS3にもダウンロードして遊べるようにすることを検討している」と語った。
こうしたオンライン対応を各社とも重視する。任天堂の次世代機「Wii(ウィー)」(12月発売予定)もネット接続でき、過去のソフトを取り込んで遊べる。天気予報やニュースを見られるチャンネルもあり、パソコンの検索画面の感覚で使える。ゲームになじみの薄かった女性や高齢者などを開拓することも意識しているからだ。
MSが昨年暮れ発売した「Xbox360」も、ネットを通じて往年の名作ソフト「パックマン」などが購入できる。7月にはゲーム仲間を探せるサイトを立ち上げ、パソコンと関連が深い企業の強みをアピールする。
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ソフトも含めた家庭用ゲーム市場は05年、手軽に楽しめるソフトで人気が出た任天堂の携帯型機「ニンテンドーDS」(04年発売)の大ヒットで、じり貧傾向に歯止めがかかった。
これまでは、髪の毛一本の動きを再現できるような画像の精密さを追求するあまり、一般ユーザーが求める楽しさを超えた競争に陥り、ゲーム離れを呼んだと言われた。高画質ソフトは開発費もかさみ、現在は1本あたり3億〜5億円という。
市場の縮小とソフト開発費の上昇は、セガサミーホールディングス(04年)やバンダイナムコホールディングス(05年)など、業界内の再編にもつながった。
携帯型「DS」のヒットに恵まれた任天堂の岩田聡社長も「DSの普及がWii(据え置き型)の普及を保証するとは限らない」と語るように、次世代機の真価はこれから試される。
ソフト大手、スクウェア・エニックスの和田洋一社長は、広がりかけたゲームファン層をつなぎとめるため、オンラインサービスなど「多様化への対応力が『第2ステージ』の飛躍のポイントだ」と話している。