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長崎大は22日、同大医学部・歯学部付属病院の患者約9000人分の個人情報が入ったノート型パソコン6台などが盗まれた、と発表した。
15日に大学から盗難届を出された長崎県警浦上署が窃盗事件として捜査している。盗まれたデータには、患者の氏名、性別、生年月日、病名なども含まれ、大規模なプライバシー漏えい事件に発展する恐れも出ている。
大学によると、パソコンなどが紛失したのは、14日午後11時ごろから、15日午前8時ごろの間。同大大学院医歯薬学総合研究科の原爆後障害医療研究施設(4階建て)の1階研究室で、15日朝に訪れた大学院生が、机の上にあったノート型パソコン6台や、USBメモリー8個、ハードディスク2台、引き出しの中の現金約6万円が盗まれているのに気づいた。
パソコンなどには、付属病院の血液内科に1990年代前半以降に入通院した患者9000人分の個人情報が入っていた。このほか、氏名を暗号化した診断名などのデータ約3000人分も含まれていた。データは患者のカルテを基に教育や研究目的で概要をまとめたもの。病状の経過を詳しく書いた部分もあった。
研究室を最後に出た助手は「部屋の4か所の入り口に鍵をかけた」と大学側に話しているが、15日朝に来た大学院生は「4か所のうち1か所と窓1か所の鍵はかかっていなかった」と話している。研究室の鍵は教員、大学院生ら十数人が持っているという。
同大はパスワードを設定して情報流出を防ぐよう義務付けていたが、パスワードを設定していたのは約2000人分だけだった。
記者会見した福永博俊・同大理事は「個人情報保護への認識が欠如した結果で、患者の皆さんに迷惑をかけた」と謝罪した。