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2006年09月22日(金) 13時47分

Clip & Copy、無料のニュースアラートサービスを開始japan.internet.com

ビジネス成功の鍵は、無料で主要なサービスを提供し、広告収入を得ることだと判断した Web サービスが新たに登場した。

いや、AOL のことではない。確かに、AOL はコンテンツを無料で配信し、広告収入モデルへの転換を進めているが。今回取り上げるのは Clip&Copy という、インターネットイヤーとしては長い準備期間を経て、2.0 イタレーションを始動させたサービスである。

Clip & Copy は、あらゆるトピックのニュースリンクを無料で毎日または毎週提供する。この広告収入に頼ったビジネスモデルは、存続可能なのだろうか? 検証してみよう。

ニュースリンクで成功するために

Clip & Copy の親会社である Data Depth 社長兼 CEO の Mike O’Donnell 氏は、 Clip & Copy はサービスを開始した2001年から進化した、と電話インタビューで語った。

・パブリッシャ
Data Depth はオンラインコンテンツのパブリッシャと正式に提携しており、Clip & Copy では記事にリンクするだけでなく、読者にライセンスを販売できる。ライセンスを購入すると、記事を複製することができ、それを会社やクライアントなどに配布することができるようになる。

・購読者
Clip & Copy は、サービスの開始に伴い、最近新しい Web サイトをスタートさせたばかりである。このサイトから訪問者がサインアップして、日刊または週刊でメール通知サービスを受けるよう宣伝している。これらのメールに、購読者が選んだトピックに関する記事へのリンクが掲載される。好みのトピックを選択する際のユーザーインターフェイスは、Google の検索オプションページに似ている。 Clip & Copy は、ユーザーが入力した語句に合った記事が出ると、そのリンクをユーザーに送る。

・広告主
当初 Data Depth は、同社のサービスで見つけた記事を大量生産したいと願う購読者からのライセンス料に収益源を頼っていた。O’Donnell 氏の説明によると、現在 Clip & Copy は購読者が訪れる Web ページに掲載するテキスト広告で収入を得ているとのこと。

・友人
メールニュースアラートの際立った特徴として、「友人に教える」リンクがある。同様の他の多くのサービス同様、購読者は特定の記事を友人に転送することができる。その記事が投稿されている Web サイトを友人が訪れると、そのページにもテキスト広告が表示される。

このモデル自体は新しくも画期的でもない。O’Donnell 氏は、 Clip & Copy が同様に無料のサービスで有名な Google ニュースアラートに似ていることを認めている。しかし、自分たちのサービスにはメリットが多いと思っているようだ。

ニュースを補助する広告

何より、 Clip & Copy には Google にはないコンテンツプロバイダとの結びつきがある、と O’Donnell 氏は語る。 Clip & Copy がリンクする記事は、永久にオンラインに残る可能性が高いが、 Google ニュースアラートのニュースリンクの多くは、2、3日後または数週間後に消滅する。また Data Depth は、テキスト広告収入の一部をパブリッシャに還元する。

広告は“3大サービス”(おそらく Google、Yahoo、MSN を指すのだろう)ではなく、 Adknowledge、ContextWeb、Kanoodle、LookSmart、Miva など2番手の検索サービスが提供する、と O’Donnell 氏は言う。「2番手の広告ネットワークだが、少しも引けをとらず、しかも一緒に働きやすい」

現在のところ、広告収入を得るためには誰かがクリックしなければならない。つまり、まず誰かに見てもらう必要がある。これは問題になることがある。広告がメールアラート内に表示されるのではなく、記事全文を読もうと購読者がリンクをクリックしたときに表示されるものだからだ。

したがって、 Clip & Copy が成功するかどうかはクリックスルー率が重要な要素になるだろう。O’Donnell 氏は、ある購読者が友人に記事のリンクを送ったときの「クリックスルー率は50%を超えている」と言う。これは非常に高い率で、購読者自身がクリックする率よりはるかに高い。「購読者が各アラート内のリンクをクリックする率は今のところ5%台で、毎日ひとつはクリックしていることになる」と語る。

O’Donnell 氏は、 Clip & Copy にとって次の段階は、テキスト広告をニュースアラートのメッセージ内に入れることだという。しかし現在のところ、アラートは無料で広告はない。

サービス開始までの道のり

Clip & Copy の先駆者として知られる Data Depth のコンテンツライセンスサービス iCopyright は、2001年の発足後苦しい期間を経験した。O’Donnell 氏によると、2003年1月、ミネソタ州の Valeo Intellectual Property にライセンスが譲渡され、 VIPClips というブランドに変わったため、 Valeo は明らかにその足場を失い、その結果2005年6月、同社のすべてのビジネスの継続を中止することが発表された。

Data Depth は Valeo と和解し、2005年9月に同サービスを復活させたとのこと。

O’Donnell 氏は、プログラムを新しい Postgres のバックエンドに移行し、新しい Clip & Copy サイトを立ち上げるまでにおよそ1年かかったと言う。彼は、この新しい広告に頼ったビジネスモデルが、より広く受け入れられ、かつてのライセンスベースの収入計画以上の収益を出すことに楽観的だ。

魅力のある無料ニュースアラート

現状で、 Clip & Copy は自分の会社や狭い範囲のビジネスセクターに関する記事を入手したい重役には理想的だ。Clip & Copy にはまだ“チャネル”や興味別のカテゴリがないため、購読者が受け取るニュースリンクは、自分で入力した検索文字列だけで決められる。例えば、new york と入力したからといって、ニューヨークについてのローカルニュースを入手できるわけではない。おそらくスポーツのスコアやローカルニュースとはいえない関係のない記事が送られてくるだろう。

そのかわり Clip & Copy は、検索語句として特徴のある会社名やその会社の専門を入力すると、非常に的を得た記事を得ることができる。Dakjisoft といった非常に特徴のある会社名なら、非常に関連した記事のリンクを受け取ることができるだろう。しかし、Garage Door Company などのように一般的な会社名では、あまりうまくいかない。

O’Donnell 氏は、購読者が希望するニュースリンクを選択しやすいように、まもなくカテゴリを追加する予定だという。20から30のメインカテゴリに100以上のサブカテゴリが加わる予定らしい。

しばらくは、無料というのが何にも勝る。口コミで調べようものなら数週間もかかるような記事を、Clip & Copy で見つけられるかもしれない。

サインアップは Clip & Copy のホームページを訪れ、日刊、週刊、または月刊でアラートを受け取るかを選択するだけだ。



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(japan.internet.com) - 9月22日13時47分更新

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