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強引な客引きや少女ら未成年者の飲酒で社会問題化しているホストクラブの経営実態を把握するため、警視庁は21日、風営法に基づき、新宿・歌舞伎町のホストクラブに一斉立ち入りした。「空前のホストブーム」といわれる現在、歌舞伎町ではホストクラブが急増。客層も主力の風俗嬢から、OLや学生へと広がっている。イケメンに囲まれる華やかなイメージがある半面、暴力団の資金源となるなど“犯罪の温床”とも指摘されるホストクラブに、警視庁は今後も目を光らせる。
「ホストクラブの客引きが強引で、目にあまる。客の中には制服姿の女子高生もいる」。歌舞伎町の商店主ら地元の人たちからの苦情が最近、警視庁にいくつも寄せられるようになった。
ホストの華麗な生活ぶりが、ドラマやドキュメンタリー番組でも取り上げられるようになるのに伴って、都内の激戦区・歌舞伎町では平成17年当初で約120店だったホストクラブが約200店に。ホストが街頭に立ち、女性に声をかける客引きも過熱し、警視庁では8月、約140店舗に立ち入りを実施し、このうち25店舗に時間外営業などで指示・警告していた。
ピンクのドンペリニョンロゼ15万円、高級ブランデー50万円…。店内では札束が飛び交う。こうしたホストクラブ市場の活況に目をつけているのが暴力団だ。歌舞伎町では、ホストクラブ「Sea」の店長とホストが指定暴力団住吉会系組員らと共謀し、他のホストクラブに移ったホストを監禁し、現金約30万円を脅し取ったとして、監禁と恐喝の疑いで警視庁に逮捕される事件も起きている。「Sea」は5万円のみかじめ料を払っていた。
ホストクラブでは同業者との客の奪い合い以外にもホストの引き抜き、料金の未払いなどに関するトラブルが多発している。そこに暴力団がつけいる。「トラブルなどの面倒をみる」としてホストクラブが暴力団にみかじめ料を支払い、解決を依頼しているという。みかじめ料は5万とも40万ともいわれるが、金額は決まっていない。
ホストクラブ通いを続け、ホストに貢ぐ風俗嬢や女性も多い。
警視庁幹部は「ホストにだまされたり、莫大(ばくだい)な借金を負ったりして風俗に足を踏み入れる女性もいる。女子高生が被害者になるケースもある」と話す。
ホストクラブは風営法で午前1時以降は営業できないとされているが、実際には早朝まで営業している。21日の立ち入りも午前5時に行われ、風営法違反(無許可営業など)の現行犯で、店長の少年(19)ら数人が逮捕された。
風俗などの地下経済に詳しいエコノミスト、門倉貴史さんは「ホストクラブはもうかり、需要もある。歌舞伎町で摘発を強化しても、渋谷など別の繁華街に進出する」と指摘する。警視庁は「裏で暴力団とも関係を持つホストクラブが犯罪の温床になっている」(捜査幹部)とみており、歌舞伎町以外のホストクラブの実態把握も進める。
(09/22 02:37)