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「合格率何割とは言わない。できるだけ多く受かってほしい」。東大の山口厚・法曹養成専攻長は念じる。合格の先にある「すぐれた法律家の養成」に目標を設定しているという同大学院は、司法試験対策を一切していないが、高い理念も学生が合格してこそだ。
「何とか5割以上、受かってくれれば」と話すのは白鴎大(栃木県)の渋川満・法務研究科長。旧司法試験に合格したOBは1人だけ。修了者6人が受験した新試験は大学が頭角を現すチャンスだ。修了年に合格したら30万円の「金一封」、授業料免除などで優秀な学生の獲得を図ってきた。
司法試験の競争過熱で、学生が効率重視の勉強に集中し、考える力をつけていないとの反省から法科大学院は生まれた。2年(法学既修者向け)か3年、じっくり素養を身につけた上で司法試験に臨むのが新しい法曹への道になった。合格者数も大幅に増やし、00年の約1000人を2010年ごろには3000人にする。
当初は法科大学院を出れば7、8割が司法試験に合格する制度設計だった。ところが04年度に政府の予想を超える68校が開校し、約5800人が入学。このままでは合格率は2、3割程度になる計算だ。ただし今年は2年制の修了者だけが受験可能だったため、受験者2091人の約半数が合格する「ビギナーズラック」な年になっている。
学生同様、各大学院の合格発表を待つ視線は真剣だ。出身大学別合格者数の上位5校はこの10年以上、東京、早稲田、京都、中央、慶応が占め、6位以下に水をあけてきた。しかし、昨年228人と合格者が最多だった早稲田は、法科大学院では2年制の枠を絞ったため、新試験を受けたのは19人だけだ。
その他の常連の中央から200人以上、東京、慶応、京都から100人台が受験した一方で、中堅だった立命館、明治も100人前後が受験している。過去に合格者がいない山梨学院から11人が受験するなど、旧試験時代はあまり知られていなかった大学も合格率では張り合える土俵がある。
法科大学院修了が条件ではない旧司法試験も2010年まで実施される。11月に合格発表があり、600人程度が合格する。