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全政連の05年の政治資金収支報告書でパーティー券購入先として記載されている国会議員は自民党23人(1人は現在、国民新党)。議員側は、いずれも「多くの団体に案内状を送った結果に過ぎない」「業界のために活動したことはない」などと、全政連との「関係」を否定した。
だが、貸金業の上限金利のあり方などをめぐり、「業界寄り」の言動をしてきた議員もいた。
個人として最も高額な30万円分のパーティー券を買ってもらった甘利明・自民党政調会長代理は昨年、業界団体広報誌のインタビューで「上限金利を引き下げると、信用度の高い人にしか融資できなくなる。はじかれた客はヤミ金融に行ってしまう」と発言し、業界の主張に理解を示した。04年の全政連の定時総会では、来賓としてあいさつしている。
甘利氏の事務所は、「党の支持団体に広く案内状を送った結果、全政連もパーティー券を買ってくれただけ。灰色金利も業界のモラルも正すべきだと考えている」と話した。
10万円分の記載があった西川公也・自民党衆院議員も同じ広報誌で、出資法の上限金利について「(現行の)29.2%は決して高くはない。最終的には自由金利にしてみたい。40%あたりまでに収まるようにすべきでしょう」と述べた。
6万円分を購入してもらった太田誠一・自民党衆院議員は今年3月、消費者金融業界から資金支援を受ける研究機関が主催したシンポジウムで、「とにかく金利が低ければいいというのは、社会主義の経済学しかわからない人」と、引き下げ論を批判した。同氏の事務所は「特定の団体のための活動はしない」と話している。
05年に、貸金業の関係法令の見直し作業が始まり、3月に金融庁が制度のあり方を検討する有識者懇談会を設置。翌月、自民党の議員連盟が業界から意見聴取を始めた。
今年に入り、最高裁が、利息制限法の上限金利(15〜20%)と出資法の上限に挟まれたグレーゾーン(灰色)金利を実質的に無効とする判決を出した。
有識者懇談会も4月、灰色金利を廃止、上限金利を利息制限法にそろえるとの方向性を示した。
こうした流れに対し、今年5月に、金利引き下げ反対を主張してきた保岡興治・衆院議員が世話人となり、勉強会を立ち上げた。保岡氏の事務所は「会員の意向で、だれが参加しているかは明らかにできない」としている。
西川氏の事務所は「入会はしている」としたうえで、「業界と特段の関係はないし、会でも大した活動はしていないと思う」と話している。
全政連は同月末に都内で開いた懇親パーティーで、案内状を出した議員約100人のリストを出席者に配り、政界への浸透ぶりをうかがわせた。
8月末、金融庁が自民党に提出した改正の素案には、高金利を最大で9年間、温存する特例措置が盛り込まれた。
金融庁の素案に反対して内閣府政務官(金融・経済財政担当)を辞任した後藤田正純・衆院議員は、自民党案がまとまる直前、「7月までは特例の議論はほとんどなかった。お盆のころに業界による陳情合戦が活発になり、状況が急変した」と話していた。
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〈全政連の話〉 議員秘書からパーティー券購入の依頼を受けた場合、お付き合いの範囲で購入している。業界に目を向けていただけるきっかけになればという気持ちもある。
http://www.asahi.com/national/update/0919/TKY200609190489.html