2006年09月18日(月) 08時00分
「非常に申し訳なく思っている」 ローマ法王 礼拝で謝罪(産経新聞)
【ベルリン=黒沢潤】イタリアからの報道によると、ローマ法王ベネディクト16世は17日の礼拝で、イスラム教の「ジハード(聖戦)思想」を批判したとしてイスラム諸国から非難された問題について「非常に申し訳なく思っている」と謝罪した。バチカン(ローマ法王庁)は16日、法王の釈明声明を発表したが、法王が直接、この問題について語ったのは初めて。
法王は12日、ドイツ南部で行った神学講義で、イスラム教を「邪悪で残酷」と表現した中世ビザンチン帝国皇帝の発言を引用したが、17日の礼拝で、「中世の文書からの引用であり、個人的な見解ではない」と釈明。そのうえで「(宗教間の)対話を呼びかけた自らの発言の真意が明確になることを望む」と訴えた。
イスラム諸国はこの謝罪発言に複雑な反応を示している。エジプトの穏健イスラム原理主義組織ムスリム同胞団の幹部は17日、ロイター通信に「十分な謝罪と考える」と表明した後、より踏み込んだ謝罪を改めて求めた。一方、インドのイスラム教聖職者団体幹部は同日、法王庁が16日に出した釈明声明について「イスラム・キリスト両教徒間の良好な関係構築に寄与する」と歓迎、抗議行動を抑制するよう呼びかけた。
(産経新聞) - 9月18日8時0分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060918-00000008-san-int