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2006年09月17日(日) 00時00分

「宗教心家庭で育成を」読売新聞

 混迷する現代社会に向かい、県内の宗教者が宗旨、宗派を超えて共に学び、交流することを目的とした「県宗教者フォーラム」(実行委員会主催)が16日、天理市の天理教おやさとやかた南右第2棟・陽気ホールで開かれた。3回目の今年は「家庭における宗教心の涵養(かんよう)」をテーマに、講演やパネルディスカッションが行われ、関係者約180人が熱心に聞き入った。

 最初に全員で黙とうして平和への祈りをささげ、柿本知事や中山善司・天理教真柱らがあいさつ。続いて安田暎胤(えいいん)・薬師寺管主と、元上智大学長のヨゼフ・ピタウ・ローマカトリック教会大司教が基調講演した。

 安田管主は、三木武夫・元首相が「我々は法律の網をこしらえる。宗教者には、その網の目をくぐらない人を育ててほしい」と話していたことを紹介。「宗教者の怠慢が世の中のいろんな犯罪を起こしているのではないか、と反省している」と話した。

 その上で、宗教心を養うためには、子どものころから宗教的文化に浸らせることが必要と主張。「我々も真の宗教者として生活しているか、考えていかねばならない」と訴えかけた。

 ピタウ大司教は、教師時代に思いやりの心をもって生徒に接したエピソードを披露し、「教育で大切なのは、ささげる心、思いやる心、ほほえむ心」と強調。また、許し合うことの大切さにも触れ、自身が子どものころ、兄弟げんかをすると父母の前で互いに許し合うことを求められたことなどを話し、家庭での取り組みの大切さを指摘した。

 最後に、教戒師の僧侶や東京家庭教育研究所の講師、天理教の教師らが、家庭での宗教心育成について討論。「まず自らが豊かな心になる努力を」「神の思いに応えるという姿勢で生活することが、家庭での宗教教育になる」といった意見が出された。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nara/news001.htm