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運送業を営む男性宅に電話があったのは9月13日午前11時ごろ。「おれだけど、携帯電話の番号を変えた」。声は風邪気味の長男の声にそっくりだった。古い番号を消去するよう指示されたが、細かい操作はできず、教えられた11ケタの番号をメモした。
男性は、この時たまたま、8月下旬に町内の男性が100万円の振り込め詐欺の被害に遭ったことを知らせるチラシを読んでいた。しかし、この電話が詐欺の発覚を遅らせる手口だとは気付かなかった。
再び電話があったのは2時間後の午後1時過ぎ。男は「株でやられちゃった。すぐ振り込まなきゃやばい」と焦った様子だった。この言葉を聞き、男性は「堅実な性格なせがれは、株なんかしない」と、疑い始めた。
男は2〜3分後に再び電話をしてきて埼玉県鳩ヶ谷市にある銀行口座を指定した。長男は神奈川県内で働いていることから、男性は詐欺だと確信。名義が長男ではないことを問いただすと、男は「出先だから。またかける」と言って電話を切った。そこで男性は、“正しい電話番号”で長男に連絡し、振り込め詐欺だと確認した。
事情を知らない男は約5分後、「急いで振り込んでくれ」と電話をかけてきたが、男性は「嘘つくんじゃねえぞ、このバカ者」と一喝すると、電話は切れたという。その夜に、那珂川署に申告した。以降、そうした電話はないという。
男性は、「自分で育てた子供の性格を信じただけ。(犯人には)人をだますのはやめろ、まじめに働けばお金は入ってくると言いたいね」としみじみと語った。男性は今後、こうした経験を地域の集会などで紹介し、注意を呼びかける考えだという。