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2006年09月16日(土) 16時04分

鎌倉・長谷寺「アジサイの道」無断で拡幅 県が調査朝日新聞

 長谷観音やアジサイで知られる神奈川県鎌倉市の長谷寺が、裏山の道を無許可で拡幅・整備した疑いがあるとして、県が調査を始めた。寺側は「もともとけもの道だった」としているが、拡幅され石や木が敷き詰められ、訪れる観光客などが利用する散策路になっている。とはいえ、無許可での整備は古都保存法に抵触する疑いがあることから、県は市と連携して寺関係者から事情を聴いており、元通りにするよう求める可能性もあるという。

鎌倉・長谷寺の地図

散策路のそばには歴史的風土特別保存地区を知らせる標識柱が立っている=神奈川県鎌倉市の長谷寺で

 寺によると、アジサイを周囲に本格的に植えて、斜面を眺望散策路に拡幅整備したのは、02年ごろから。現在は延長が約200メートル、幅員が1〜2メートルで石段やウッドチップが敷かれている。

 寺側は「土砂崩れ防止のため、アジサイを毎年、植えてきた」と説明しており、以前はけもの道だったという。アジサイシーズンの6、7月は、ピーク時で1日に1万人の観光客が訪れるという。

 県緑政課によると、長谷寺は67年、古都の歴史的景観の保存を定めた古都保存法に基づき、「歴史的風土特別保存地区」に指定された。

 土地を造成したり、工作物を新・増改築したりする場合、知事の許可が必要だが、許可を受けなかった疑いが持たれている。県は「違反が確認されれば、原状回復の指導や命令を行うことになる」としている。

 県によると、長谷寺はまた、都市の中の自然景観を維持する県条例に基づく「風致地区」にも指定されており、建築物や工作物の新築など景観に影響を及ぼす行為をする場合に必要な許可を受けなかった疑いもあるという。

 同寺は「県や市の判断を待っている状況なので、発言は控えたい」としている。

 鎌倉市教育委員会の9月定例会でも、市教委は文化財保護法に規定する発掘の届け出が過去5年分にさかのぼっても確認できなかった、と報告。届け出を怠った疑いがあり、県教委と調整しながら文書で厳重注意する可能性を示唆している。

 長谷寺は736(天平8)年に創建と伝えられている。本尊は十一面観世音菩薩(ぼさつ)で国重要文化財として銅造十一面観音懸仏、梵鐘(ぼんしょう)がある。

 鶴岡八幡宮といった有名な神社仏閣を抱える鎌倉市は現在、「武家の古都・鎌倉」として世界遺産登録を目指している。

http://www.asahi.com/culture/update/0916/013.html