2006年09月14日(木) 14時00分

０６総裁選：山口と安倍晋三　安倍晋太郎／２　／山口（毎日新聞）

　◇突然旧１区から出馬表明５８年に初当選を果たす
　「（旧）山口１区から出馬するぞ」。１９５７年、岳父岸信介首相の秘書官だった安倍晋太郎氏は突然、衆院出馬を表明し、周囲を驚かせた。
　地元関係者によると、安倍氏が１区から出馬を決めた理由の一つに、急逝した父寛氏の地盤を受け継いだ周東英雄元農林相の存在が挙げられる。周東氏は５６年１２月の自民党総裁選で岸氏ではなく別の候補を支援したとされ「県出身の総理実現を」と周東氏を説得した安倍氏らが反発した。
　安倍氏は大票田・下関市に事務所兼自宅を構え、地元の青年たちを集め「長州青年同志会」を結成。岸氏の秘書官を兼務していたため、地元に入るのは週末に限られた。選挙戦では妻洋子さんと悪路をトラックに揺られながら支持を訴えた。
　５８年、晋太郎氏は初当選を果たす。得票は７万８１４票。戦後初の民選知事も務めた田中竜夫氏に次いで２番目だった。選挙で支援した旧日置町長の江原清さん（７６）は「父寛氏にゆかりの若い人たちが集まり、事務所に一緒に寝泊まりして手伝った。晋太郎先生が亡くなった時、本人はさぞくやしかったろう」と振り返る。

９月１４日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060914-00000203-mailo-l35