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松田 この製品もメーカーとしての論理を外したところから、出てきました。更新料が0円だったら、ユーザーはうれしいだろう。4980円だと少し高い。3970円ならいい、と。
無期限版が採算にのるかどうか。狙いは社員には言わず、サポートや更新のコストなど様々な要素を調査しろというメールを40本くらい送って、結論を得ました。
パソコンソフトに限れば まだまだ面白いことができます。もっとも、最後はウィンドウズという壁もあるのですが……。
松田 アメリカで最初に見たソフトと違って 日本にはわかりにくい製品しかない、と思ったのがきっかけです。値段が高くて、パッケージの説明も英語、ひどいのはガラスケースに入っていた。普通の人が気軽に手にするようなモノではありませんでした。マニアやプロ向けではなく、パソコンを買ったついでに買うような商品にしようと考えました。
ライバルはCDやDVD松田 あのときは、役員6人が私の自宅に集まって飲んでいたんです。
まず「1980円でウィルス対策ソフトを売ったらどうですか」というアイデアが出て、「それはいい。そもそも対策ソフトなんか買いたくないのだから」と言って、決まりました。
メーカーとしての発想をやめると、結構、面白いことができますよ。我々はパソコンソフトの枠内だけで考えているわけではありません。1980円あればCDやDVDも買えます。CDはパッケージもきれいだし、インストールなんか必要ないですよね。つまり、それより魅力がないといけないのです。
松田 3年前です。来日したスコット・マクネリー社長(当時)に、ホテルのパーティーで会いました。
「StarSuiteを爆発的に売る方法があります」と切り出したら、社長が興味を示したので、「1980円で売りましょう」と提案しました。
当時の価格は9800円。社長は興奮して、会話が止まらなくなりました。秘書があわてて止めに入ったので、後ろを振り返ると、50人以上が並んでいました。
これは、時間をとりすぎている。名刺交換の場で、何をビジネスの話をしているんだ、と思われたでしょうね。でも、契約は簡単にまとまり、CMには藤原紀香さんを起用しました。
松田 そういうものは全然ありませんでした。ソフトに絞ったのは、システム・エンジニアをしていて、得意で好きな分野だったからです。好きにかなうものはありませんから。
95年には、マイクロソフト本社にも行ってみました。これがマイクロソフトか、産業のナンバーワンが世界のトップ企業とは、無限の可能性と広がりがあるなぁと思いました。ソフト産業は工場も設備もいりません。一発逆転が可能な分野なんです。